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The Dead C 『Rare Ravers』 Siraph 『Siraph』 Jóhann Jóhannsson 『Mandy (Original Motion Picture Soundtrack)』 Hedvig Mollestad Trio 『Smells Funny』

最近良かった音楽(ロック)


The Dead C 『Rare Ravers』


こういうコアなベテランバンドって10年で2枚とか良くても3枚出してファンがめっちゃ喜ぶみたいな感じになりがちだと思うんだけど、この人達は近年も活発なリリース。
どんなバンドかは過去に書いた記事を参照してください

昨年のライヴ映像もメチャクチャ素晴らしいっす

それで今回のアルバム。
例によって近年の感じの長尺ジャムが二本。間にインタールード的な短い演奏が挟まってる。
相変わらずロックの死体って感じの演奏なんだけど、今回はちょっとアンビ味というかドローン味というかそんなのを感じたかな。
意外とブルージーなアルペジオを延々反復するギターと低域ノイズで唸り続けるようなもう片方のギター。
ドラムは今までだと無関係なビートをミニマルに提供し続ける役割が多かったように思うけど、ここでは叩くとこと叩かないとことはっきり分けてるような。
しかしこういう腑分けして説明すればするほど虚しい音楽ってあって、つまりこれはそういう意志、とか意図、みたいなものを読み込もうとする努力を鼻で笑って否定してくる感じもするんで。
何ていうのかな。
たまたま、今回アルバムに入ってるのがここ、って。
延々何十時間もジャムしていて、その中からたまたま切り取られてるっていう、そんな印象をいつも受ける。
垂れ流しという言い方があるとすれば、このバンドはそれこそが演奏だし音楽だ、と言えるところまでその方法論を究めてきてしまったんだと思う。


Siraph 『Siraph』



6曲入りミニアルバム。

Vo - Annabel
Key - 蓮尾理之
Gt - 照井順政
Ba - 山崎英明
Dr - 山下賢

ということでざっくり言っちゃうとスーパーバンドという感じではあるんだけど。
自分的には、やっぱSchool Food Punishment大好きで、その中でもサウンドの核は圧倒的にベースと鍵盤だよなって思ってたんで、その二人がいるっていうことで聴いてみた。
やはりSFPを思わせるところはあるけど、それプラス、照井さんがいるのでギターもバキバキと鳴っていたり、ミニマルなアプローチが全編で聴かれたりと。
ただ、ギターバキバキと書いたけど、一方でビート的にはストレートなロック的なそれをほとんど採用してない。
SFPでは結構ダンス的であったり推進力のあるストレートなビートが軸にあったように思うけど。
ここでは三拍子系のポリリズムが多く聴こえてくる。
でもサウンドデザインとしてはリズムに重心を置いて聴かせるという感じでもなく。
ギターと鍵盤のエフェクトかけて入り組んだ単音フレーズでぶわーっと吹雪のようにする場面とかかなりあるんで。
更に歌ものという感じでもないんだよね。
ヴォーカルというか、ヴォイスのような。歌詞も(内容もあるけど)頭に入ってくる感じではなく、あくまでサウンドとして音楽に関与してる。
"カーテンフォール"のずっと停滞してる感じがサビで一気に雪崩れるようなところとかやはりカッコいいし、キャッチ-さはあるんだけど、でもやっぱ名状し難い音楽だなって。
メロディとかリズムとかコードとか歌詞とか、どこかに強みがあってそこにフォーカスすることで構造が分かる、みたいな音楽ではない。
全体なんだよね。
うまく言えてるか分からんけど。
曖昧さと強度がここまで髙いレベルで両立しているってやっぱとんでもないアンサンブルだなぁと思う。

てかやっぱ自分は山崎英明氏のベース大好きで、ずっと追っているんですけど、今回の"想像の雨"とかもなんか凄すぎて笑ってしまう。めちゃ良い。


Jóhann Jóhannsson 『Mandy (Original Motion Picture Soundtrack)』


映画『マンディ 地獄のロードウォリアー』のサントラ。
ヨハン・ヨハンソンの遺作のひとつということになる。
このサントラ、スペシャルなのが、ギターをSunn O)))のStephen O’Malley スティーブン・オマリーが担当しているという。
ヨハンソン×オマリーというスペシャルすぎる組み合わせ。
内容もこの二人に期待する通りのもので、ギターとシンセの重厚なドゥーム・ドローン。
シンプルゆえ語りしろの少ないアルバムではあるが、素晴らしいの一言。
ディープな残響エフェクトのもたらす深すぎるボトムの響きに幻惑される。
ドボドボ脈打つリズミックノイズのような曲やアンビもあるけど、盤全体は漆黒の世界観で貫かれてる。
ほぼほぼSunn O)))な破滅的ノイズギタードローン"Burning Church"に震える。
惜しむらくはサントラゆえ曲尺が3分程度しかないことか。
15分くらいのバージョンで聴きたい曲がいくつもある。


Hedvig Mollestad Trio 『Smells Funny』


ノルウェージャズの森の奥からやって来たダーティ・スウィート・ロックンロール・マザーファッカーズことHedvig Mollestad Trio ヘドヴィグ・モレスタッド・トリオ。
過去にも何度か書いてるように思います

もうほんとに間違いない人たちだよね。
本質的、と言ってもいい。
脳髄から腰骨までぶっ叩いて、ロックンロールは美しいということを教えてくれる。
ドラムとギターとベースという三すくみの美しさってやっぱり永遠で。
今回ギターのはっちゃけぶりがかなり素晴らしいのだけど、"Bewitched, dwarfed and defeathered"のノイズ化したソロとか特にもうウワァーって感じが。
あと、ぶれない事がここまで嬉しいバンドというのもなかなか無いなと。
新しくならないことは美学なんであって、結局ツェッペリンのライヴアルバムって今聴いても普通にカッコいいし、その次にこのアルバムがかかって盛り上がるみたいなことが、この人達のあり方の面白さじゃないかな。
全6曲のシンプルさも潔く素晴らしい。
最高です。最高。

2016年もありがとありがとなのですv

こんばんは!
皆さん、盛り上がってますか?
年間ベストです。
今年はシンプルに、音楽と、映画!で、いかせてください!
がんばっぺーっ、ウェイクアップガ~ルズ(ギネスビールの缶、カシューッ)!


 

Hedvig Mollestad Trio 『Black Stabat Mater』

2週に一度ほどyoutubeでhorror trailerで検索して日付順にソートして上から見るというのをやっていて、新作ホラーの予告に関してはチェックできる限りすべてチェックしているんだけど、その中で先月グッと来たもののひとつに"The Woods"という映画の予告があって。これ映画の詳細とかは全然分からないんだけど、ダークで寒々しいアレンジの"見つめていたい"のカバーが使われていて、とても印象的だったんですね。
でも情報自体は全然ないんで、何だろうと思っていたら、ここにきて驚きの新情報が出てきた。
予告の動画タイトルが昨日になって突然変えられる。見てくださいこの予告のタイトルを。
なんとこれ、ブレアウィッチ・プロジェクトの続編だったのですね。
情報は完全にサプライズ公開で昨日になって突如として日本公式サイトも開設と。
この驚愕の企画、仕掛け人はアダム・ウィンガード&サイモン・バレットとのこと。この二人、00年代のジェイソン・ブラムのような存在感を見せてきてますね。
僕が初代ブレアのことをどれだけ好きかというと、DVDとブルーレイは勿論(作中に音楽は使用されてないのに出ている)イメージサントラまで持っている程なんですけど、これは人選も納得で期待大ですよ。
楽しみ~~~

あと『星野、目をつぶって。』ってマンガ読んで、これ、タイトルが『百瀬、こっちを向いて。』のパロディになってたり、各話サブタイもちょっと前のJポップから取られてたり非常に自覚的な青春マンガなんですけど、めっちゃ良くて。ただ内容はタイトルで検索するだけでもネタバレするデリケートなものなんで、前情報入れずにただ読んで欲しいなと思いますが。
この手の個人の名前を指名するタイプのタイトルの青春/ラブコメってとても増えたけど、これ、所謂ハーレムみたいなものから次のモードに移ったってことなのかなと思って、面白いと思っている。考えてみれば昨今話題になるこの手のものってみんな一対一、サシの関係性を扱ってるので。
ハーレム的な一対多の、複数の選択肢の中からよりベターな、比較検討したものを…って見せ方は、マーケティングというかキャラ商売としては正しいんだけど、それで恋愛とか描こうとすると違うなっていう。それよりも最初から相手は決定されてて自分には選択の余地はないんだけど、それを自分が選んだものとして選び直す、そういうものじゃないですか、なにかそういう関係って。
年収とか身長とかさ、比較検討の参考になる要素って、それゆえに相手を選びましたって言ったらもう寒々しい話なわけじゃん。じゃあ説得力のある選択の理由って何かというと…、理由はないけど…わかりません…気付いた時には…そういうものでしょ。そこには原理的に他者って少なくとも別の選択肢みたいな形では介入し得ないというか。
エンターテインメントにはなり難いのかもだけど、それを描こうとしているものが評価されてきてるって自分的には結構面白いかな。

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もーーー前置きが長いよ!サモエド!って感じなのですが…そういえば今書くのも謎なんだけど前回の記事で記事番号500でした。実際には一回大整理して消した記事もあるから現在500の記事があるわけではないけど、全音楽ブログ界隈(?)に完全黙殺されたままここまで描きました、ありがとう


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BLACK STABAT MASTER
過去記事など
もはやルネ・グラモフォンの看板バンドのひとつとなった感のあるHedvig Mollestad Trio ヘドヴィグ・モレスタッド・トリオ3年ぶり・2016年最新作。4枚目か。
Elephant9、Scorch Trioなど同レーベルの名だたるリリースが揃う2枚組LPライヴ盤シリーズでもまもなくリリース予定あり、めでたい。



ロックンロールぶっ聴いてるか?
引力から逃れて長い長い旅に出る準備は?
アルコールが揮発するまでの間の短い夢と濃い霧の中で、一夜の過ちに身を焦がす用意はいいか?
ロックンロールぶっ聴いてるか?
トランジスタとトランジスタの間に挟まれた抵抗みたいにもみくちゃになり、
あるいはダイオードの隙間を潜り抜けた信号のようにささくれて、
ただ出力されたいと出力されたいと願う願い続ける原始的で単純な響きを知ってるか?
ロックンロールは?ぶっ聴いてるか?
73年、マディソン・スクエア・ガーデン、ソング・リメインズ・ザ・セイム、騎兵隊のように土埃をあげるリズム体と無限に続くギターソロの渦に呑まれながら、幸せな瞬間をずっと味わって死にたい、永遠に生きたいと思ったのは?
ロックンロールぶっ聴いているか、ギター、ベース、ドラムス、コーヒーとタバコ、死と生、真空管、スプリング、ウーファーとツィーター、ディレイ、ドライヴ、ファズ、汗、生、汗、死、憂鬱と退廃と官能と厚みのあるピックと終わりの革命の最後の苦い記憶の中の君は少年兵で、そこから出る方法を気付かずに、ただドアノブを回す方向が逆と気付かずに、震えて、ロックンロールぶっ聴いてるか?いつ終わってもおかしくない瞬間がずっと続いてほしいと願ったのは?

ロックンロールぶっ聴いてるか?
5トラック33分の中に全部あるか?
針を落とすと間髪入れずに叩き付けるサイケデリックなグルーヴに躓かず足を乗せられたか?
絶え間なくおしゃべりするスネアとベースが流れるように形をかえて、恐れることなく無限の愛の歌を吐き出し続けるギターの響きに手を取られるまま"Approaching"、ド派手に崩れ落ちるアウトロから直結する"On Arrival"、世界の終わりのように降り注ぐフィードバックの渦、即興的に連なっていく酩酊のジャム、14分間の暴動、まだ生きてるか?
ロックンロールぶっ聴いてるか?
"In the Court of the Trolls"、深い深い残響の中でまた新しいサイケデリアの雷雲の一群がやって来たのを感じるか?
クジュファックドアウトザピーセズオブミュージック、あるいはやっぱりここにすべてがある。何度でも言う。ボリュームは限界まで上げてるか?
"-40"、ここでもモチーフを引き継いだまま、荒涼の中にミニマルなギターがただ一定のコードを刻んでいる。ずっと何かを待ちわびて。
"Somebody Else Should Be on That Bus"?
ロックンロールぶっ聴いてるか?
"Somebody Else","Should Be on That Bus"?
全く別の悪魔のようにベースリフがやって来て、ドラムスが加わり、唸り吼え叫ぶようなギターの狂おしい歌がもう一度響きわたる。4分半のタイトな暴風雨に根こそぎ心を奪われて、それでもう一度分かるのだ。これは恋に落ちる瞬間の音楽だったと。
だから打ちのめされて、朝に追いつかれて、心は割れちまって、それでもずっと待っているんだよ、そこに辿り着けるのを。君の愛の降り注ぐそこに辿り着けるのを。


2013年もありがとうございました。ベストディスク、ベストムービー、等々

ハイお疲れ様です。
今年も終わりですね。一年ありがとうございました。来年2月でもう5年書いてるとかそんなことになるんですね。
そんなわけでこうして恒例の一年振り返り記事を書いてるわけなんですが…。
今年は自分では全然活動してないですけど(セッションは結構したけど)沢山音楽聴いたり映画観たりした年だった気がするぞ。
てな感じで書くことがないし…もうベスト的なやつの話に…


以下続き。
非常に長いのでご注意。

 

Blue Sabbath Black Cheer and Pig Heart Transplant 『Untitled』

(スリラー/ホラーとしてはわりと)話題の『サプライズ』こと"You're Next"観てきまして、いやこれが抜群にいい。
監督のアダム・ヴンガードの作品はもっとインディな頃のものからずっと好きなんだけど、相変わらずかなり身内感溢れるキャスティングや短いエンドロールにも関わらず今回はガチッとメジャーな手触りの作品で。
毒の効いたユーモアをそこら中に散りばめつつ、正面から殴りつけるような豪快な暴力が気持ちいい。インディ系のホラーなんかだと、基本ダウナーで陰湿な感じで締めるって風になるんだけど、そこアッパーに突き抜けてるのも今回いいなと思いましたよね。
ホラー愛から来る職人めいた技を遺憾なく見せ付けてくれるっていう、これはお薦めですね。


あとそうそうそう!
昨日は遂にHedvig Mollestad Trio見てきました。@六本木superdeluxe。
いやなんかもうボキャ貧ですみませんなんですけど、最高。最高としか。
このブログでは二年前の冬から彼女らの来日を見据えた応援を呼び掛けてきましたけど(適当)、強く願えば実現することもあるということですね。
煙たく煤けて荒々しく歪み煌くロックンロールの美しさよ。いい夜だったなぁ。



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bluesabbathblackcheer

え~今回は最近聴いたなかでめっちゃカッコ良かったやつなんですけど、困ったのがこの2バンド、詳細が全然分からんというですね。
あっ、お求めはArt Into Lifeさんのほうで。


完全にふざけてるとしか思えないバンド名のBlue Sabbath Black Cheer(そういえば最近Blue Sabbath Black Fujiというそっくりな名前のノイズロックデュオも出てきてたような...)はシアトルの3人編成ノイズバンドで、フォーマットを選ばず小規模リリースを大量に行っているらしい。
音はハーシュ・ドローンに軸を置いたスタイルのように見える。




豚の心臓移植、Pig Heart TransplantはJon Kortlandなる人物を中心にしたベイエリアのインダストリアルユニット。編成は流動的で、今回の音源では6人の大編成。
このユニットの実像は本当に謎で、参加メンバーの名前も知らない人ばっかだし、ググってもほぼ情報なし、youtubeで検索かけてもグロ動画の合間にこんな感じの何やってるか判らんようなライヴ映像が僅かに見つかるのみ。



アートワークの中面にも簡潔に
Alston / Colburn / Hansen / Kortland / Rage / Reed / Schmidt / Ward / Wilkinson
とメンバー名が記されている他、一切の情報なし。
5曲52分、アルバムタイトルなし、曲タイトルなし。
というわけで普段のように外堀から埋める感じで書こうとすると途方に暮れてしまう音源なんだけど…
音はヤバいんだこれ。

多分ブタの鳴き声か何かを加工してるんだと思うけど、怪物めいて変調された動物の声から始まり、深くリヴァーヴの効いた空間構成に、ベースドローン、そこら中から染み出してくる金属腐食ノイズ。
低域偏重のバランスを欠いた音響と遅く重い音塊が折り重なっていく腐敗したダーク・インダストリアル。
続くトラックでは金属を打撃する音の延々ループする上を不快に粟立つ目の粗いホワイトノイズが這い回っている。
暗く湿ったエレクトロニクス、加工されたメタルジャンク、スローモーションの破壊解体工事、やはり深めのディレイが施された絶叫など…。
テンションを上げることなくグズグズに爛れて壊れたパーツが重なっていくサウンドは、聴いているだけで具合の悪くなってきそうな病気ノイズ。
集団自殺カルトが使って焼け落ちた廃墟って感じの極悪ホラーノイズが14分に渡って展開するラストトラックはちょっとまともな神経で作ったとは思えないトチ狂った仕上がり。

まぁ言っても僕もホラーをめちゃくちゃ愛してますんで、こういう音には耳が喜んでしまうんですけど…
この手の音って普通のノイズの感性とも違うよなーという。
この前読んだインダストリアルディスクガイドには、オカルト、秘儀系なんて言葉もあったけど。
このバンド名でやってる人たちなんで冗談だとは思うけど、それにしてもあまりにも陰湿な音なので普通に音楽で気持ち良くなりたい人にはオススメしませんぞ。
ってうちで取り上げてるやつでそんな普通に気持ちよくなれるやつとかあんまないか…。

とにかくこれは全然前情報知らずに(というか知りようがなく)試聴だけして買ったら素晴らしかった作品。
どうも困難を極めそうな感じはあるけどこの2バンドの音源は他も探してみたいなと。
 

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