いもうとデイズ

いもうとデイズ(1) (アフタヌーンKC)いもうとデイズ(1) (アフタヌーンKC)
(2009/09/23)
田中 ユキ

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ベタすぎて重度の妹病の僕のような人間しか手に取らないんじゃないか…と心配になってくるタイトルですが、いやこれがほんとにいいマンガだった!
ある日突然妹ができる、って設定はテンプレそのもの。ただそのディティールが妙に生々しくて…。主人公は28歳落ち目のホスト、悠太。そこに再婚した親の相手の連れ子としてやってくるのが妹、ディアナ。フィリピン人、10歳。しばらくこの子の面倒を見てくれないか、ということでお話が始まります。
年齢差18歳ということでドキドキしたり甘酸っぱかったり的なアレはもちろんないわけですが…そうなったときに今までの妹ものの作品からすると「じゃ何描きゃいいのよ?」って話になっちゃいますよね。いや冷静に考えるとこれってかなりヘンな話ですが。
ではこのマンガで描かれているのって何だろう…と考えると、それは「他者を介して社会に入ること」ってなるのかなぁ、と。経験から自身を持っていいますけども、男の一人暮らしなんてのはある程度社会、というか世間から断絶したところで何ともないわけですよ。べつにご近所さんの顔知らなくても生きていけるし。ところが他の誰かの面倒を見ます、ってなるとそうはいかない。その誰かが小学生の女の子なら、なおさら。ディアナは小学校に編入し、それに伴って悠太のまわりで「世間」的なものが一斉に動き始めます。学校に授業参観に行けば保護者のつながりがあり、そこから地域の自治会に「こども会」なんて面倒なものも出てくる…。家族になる、って実は大変なことで、単純にその家族の構成員とつながるだけじゃなく、横にもっと多くの関係が出てくるわけです。僕も読みながらそっかぁーなどと頷く事しきりだったわけですが。
このへんのテーマって宇二田ゆみ先生の『うさぎドロップ』なんかでも書かれていて、あちらは娘と父の話なんですが、合わせて読んでみるのも面白いかと思います。

そそ、他人と暮らすことの付随物ってことでもうひとつ言うと、小学生の女の子と暮らす、ってなるとまともな生活しなきゃいけなくなるってのもあるんですよね。男の一人暮らしなんて…ってまた書くんですけど、メシはコンビニ弁当にカップ麺でゴミは溜まったら捨てる、夜更かしして休日は昼まで寝てる、でもいいわけじゃないですか。でもこのマンガみたいな状況になると、それは全部改善を迫られるわけですよね。悠太が(AVなんて当分借りてこれねぇな)と思ったりするシーンもあって、このへんはすたひろ先生の『おたくの娘さん』っぽいですが。
一人になって1年もすると家族で暮らしてたころのことなんて忘れてしまうもんですが、他人と暮らすって実はすげえことだったんだなぁ、って思いますよ。でもやっぱりそれは苦労だけでもなくて…。風邪をひいた悠太にディアナがはじめてのおかゆを作る話があるんですが、これがもうほんとにいい話で。「冷めてんのに、超うめえよ」。
…いや体の調子悪くて一人で部屋で寝てるときのあの異常な不安感を思うと。僕のところにもある日いきなり可愛い妹がやって来ませんかね。


いもうとデイズ (2) (アフタヌーンKC)いもうとデイズ (2) (アフタヌーンKC)
(2010/03/23)
田中 ユキ

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2巻まで出ております。
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