Morthana 『S/T』 Morthana with Pride 『S/T』

MoHa!ってバンド大好きなんすけど、その二人がアヴァンジャズ・サクソフォニストAndrew D'angeloと組んだバンドがこのMorthana。この面子でヤバイ音にならないわけがない、ってなもんで…。

MorthanaMorthana
(2005/04/13)
Morthana

商品詳細を見る


Jazzawayからリリースになっているセルフタイトルの内容は、カッコよすぎるジャケ・アートワークから推して知るべしなアングラ仕様。
"Trakk 1"~"Trakk 5"と銘打たれた5曲収録の36分。それぞれ6~7分の演奏で、全体としては短いながらこってり、いやむしろどろり濃厚な味わいのアヴァンギャルド不定形サウンド。
"Trakk 1"の最早笑撃的なサウンドの凄まじいこと凄まじいこと。プレイボタンを押すと鳴り始めるのはギター+エレクトロニクスの飽和したハーシュノイズ。いきなり耳に優しくないそれにパリパリに尖ったドラムが捻じ込まれ…ここでなぜか、ハードコアリフ。12/8の変則リフがループし、いきなりトップスピードなサックスが高域ランダムノイズをばら撒く。ドラミングもまんまハードコアなタテノリを全面に打ち出し、アゲまくる。サウンドは崩壊気味にフリーフォームなインプロへ。極北のアヴァンギャルドでありつつ、同時にキャッチー。剥き出しサウンド。7分21秒という尺が2分半に感じられる。
Andrew D'angelo(しかし強そうな名前だなぁ)はサックスのほかにバスクラもプレイするんだけど、そのノイズ成分過多な独特の音が聴けるのは"Trakk 2"。"Trakk 1"と打って変わり、ここでは全編抽象的なインプロを聴かせている。強く歪ませたギターでスクラッチを多用する特徴的なギターはAnders Hanaの十八番的サウンド。隙間を多く取った音が前トラックとコントラストを成して面白い。
"Trakk 3"の主役はドラム。Morten Olsenのドラムはハードコアとフリージャズをブレンドしたこれまた珍しいスタイル。2分半のドラムソロの上にサックスとギターが乗っかる。ギターは相変わらずノイズまみれな演奏で、サックスは幾分かジャズらしいメロディを感じさせる演奏をしている。中盤、ここでもハードコアノリに突入。この後に続くフリーインプロとハードコア~ノイズロックを往復する展開は、このバンドの音をよく現しているような。
"Trakk 4"では抽象的なインプロ、"Trakk 5"では歪みキツめなファズギターでのハードコアサウンドを聴かせているので、全体を見渡すとインプロ成分とハードコア成分が交互に配置されていることになる。このあたり、MoHa!の実は結構几帳面に作りこまれたような音に共通するものを感じて面白い。


morthanawpride

彼ら3人に、NYCでノイズロックからジャズまで幅広く活動する変態ドラマーMike Prideを加えたのがこのMorthana with Pride。Mike Prideはなぜかヴォーカルも担当。全編インプロなわけだけど、なぜかヴォーカル。ヴォーカルというか、絶叫担当。
その奇妙奇天烈なヴォーカルが大きく取り上げられているのが"My Prostate"。最悪すぎるタイトルがむしろ清清しい(意味は各自でグーグル先生に聞いて下さい)。畳み掛けるツインドラム、断末魔的サックス、イビツなギター。そして声芸。裏声早口言葉から口ドラムンベースからお爺ちゃんお餅吐き出して!ってな感じの死にそうな咳き込みパフォーマンスまで、エフェクティヴな声でやたら器用なパフォーマンス。混ぜこぜぶち切れサウンドは完全にジャンルレス。この絶妙なアホで怖くて鬼気迫る感じはどう書いても伝わらないような気がする。
アルバム全体を聴いてみる。喚き立て、不意に素に戻り、やっぱりぶっ壊れる1分26秒間の耳ファック"Cheek Spread"、ノイズギターに食らい付く凶暴なサックスが印象的な"HB & Co"、突然の音響的実験"Kug Ronke"と意外にも幅広い音を聴かせてくれる。ラスト"Eat Shit Mutherfucker!!"はやっちまった感溢れるタイトルに相応しい内容の強力なノイズ・アヴァンギャルド。もう来るとこまで来てしまった感じのぐちゃぐちゃな音楽なんだけど、ここまで聴くころにはこの音がクセになっている。『Morthana』で聴かれるハードコアノリはこちらのアルバムではあまりないながら、下地は基本的に同じもののような気がする。ノリとしては通底するものがあるというか。
このアルバム、D'angelo本人による解説がついていて、これがまたパンクな人柄を感じさせる(でも結構いい人そう)な素敵な内容だったりする。


というわけでMorthanaだったんですけれども。
これはよいですよ。いや良くなければ紹介してないですが。
この手のものにしてはムズかしい感じはほとんどなく、気持ち良さ全開。
MoHa!の2人はジャズ的なものもいろんなところで演奏しているので完全にそうとは言えないんですけども、めちゃスリリングな異種格闘技。紹介したばかりのTwo Bands And A Legendにも通ずるところあり。
サイコー。
スポンサーサイト
 

プロフィール

 

伊達さん

Author:伊達さん
恐怖と雑音と
カワイイだけがオレの信仰
about

拍手する

 

最新記事

 
 

カテゴリ

 
 

月別アーカイブ

 
 

検索フォーム

 

 

twitter

 

 

リンク

 
 

FC2カウンター

 

 

RSSリンクの表示

 
 

最新コメント

 
 

最新トラックバック