Mostly Other People Do The Killing 『The Coimbra Concert』

というわけで、こちらでもちょっと紹介したライヴ盤がとうとう出ました。

Mostly Other People Do the Killing-Coimbra ConcertMostly Other People Do the Killing-Coimbra Concert
(2011/04/05)
Peter Evans

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ジャズバカフロムNYC、Moppa Elliott率いるカルテットMostly Other People Do The Killingのライヴ盤『The Coimbra Concert』。
2枚組約2時間に及ぶ大ボリュームにして、お値段据え置き。内容は当然最高。

演奏の内容はスタジオ盤と様相が微妙に異なっていて、ディスク1には4曲、ディスク2には5曲の演奏が収録されているんだけど、それぞれが1時間くらいある。つまり1曲1曲が長くなっていて、10分越えというのがもう普通。何でこんなことになっているかと言えば、フリー度5割増しのとんでもない事態になっちゃってるから…な感じ。

ショウは"Drainlick"で開演。いきなりカマしまくるKevin Sheaのドラムからご挨拶。ファンクなテーマをビシッと吹いた次の展開はもう予測不能。完全フリー~4~16を気分次第で行き来するリズム体に、もう知らんがなと二管も勝手気ままに絡んでいく。のっけから11分に及ぶ演奏は、最後の数秒だけなんか綺麗にまとめましたというような感じで終了。
"Round Bottom,Square Top"ではなぜかドラムがチャチいリズムマシンから参るという謎仕様。今回、どうもいたずらっ子Kevin君の手元にサンプラーや何やらがあるようで、そこかしこに謎の発振音やサンプリング音声、リズムマシンが入っている。演奏半ば、サックスソロの中のマイナーフレーズを捕まえたベースが、何やら全僕歓喜のフレーズを弾き出し始める…"Fagundas"!!この曲とくれば、ってことでサックス大暴走。っとブレイク。ここでなぜかショボイリズムマシンによるショボイ8ビートが。ベースは弓弾きでノイズ出し始めるし、ペットは勝手に割り込んでソロ始めるしで、やっぱりこの人たちはあんまり真面目にやる気はないみたいだ(いい意味で)。最後キッチリテーマに戻るあたり、またふざけている。
ディスク1を締めるのは、スタジオ盤でも一際アヴァンギャルドな演奏が印象的だった"Blue Ball"。こわしてなおしてそれがあたしの性格だから…と組んでは崩しの展開を繰り返し、ドラムソロから突入する"A night In Tunisia"。先の"Round Bottom~"中の"Fagundas"にしてもそうなんだけど、曲の中に別の曲をはめ込むということを所々でやっていて、だからジャケ裏なんかに記載されたセットリストはあんまし意味なし、なものだったりする。何が出るかは聴いてのお楽しみ。彼ららしいというか。他楽器は一切手出ししない、ペットの長尺完全ソロで演奏は終わる。スタジオ盤のチュニジアが21分あったことを考えると当然の帰結かもしれないけど、この一曲(?)で33分ある。

ディスク2のファーストトラックは"Pen Argyl"。2管の濃密なソロが楽しめるが、ドサクサに紛れて"Drainlick"を滑り込ませるサックスソロが特に良い。トゲトゲしいトーン×無茶な譜割りでフリーに歌いまくる、しかしポップ。例によってリズム体なんか終盤は何やってるかわからない状態なんだけど、〆だけは綺麗。
"Factoryville"ではベースソロが長くとられている。いつだったかのセルフライナーで"ベースソロ弾くの好きじゃないんだよね…"みたいなことを書いてたけど、その割には楽しげ超フリーなソロ。ベースはいつも比較的落ち着いているような印象があるけど、ここではかなり早いフレーズなんかもパラパラと入れていて、惜しげもなく聴かせるソロという感じ。リラックスしたインタープレイを挟んで、どこからともなく鳴り出すスウィートなメロディは"The Hop Bottom Hop"。こういうところにこっそりと僕の大好きな曲を…。粋な連中だ。
クライマックスの"Elliott Mills"は5分間のコンパクトな演奏で、途中一瞬完全フリーになりながらも、基本は前にのめった4ビートの上でキャッチーなソロがかわるがわるに現れる内容。高域中心のフレーズはどこを取っても軽快で、なんだか浮き足立つような聴き味。最後、こう、綺麗に締める感じがまたズルいというか、どこまでもツボをついてくるバンドだ。

全体としてみるとやはりスタジオ盤よりフリー度高め・はっちゃ度高めで、MOPDtK上級者向けな内容と言えそう。…なんだけど、やっぱしこの人たちの演奏、聴いてて楽しいってのを一番に思う。あんまり難しいところはない気がする。個人的にライヴものが大好きってうのもあるけど、こっから聴くっていうのも全然いいかなって気もするんだよな。そんなわけで皆聴けばいいじゃない。Mostly Other People Do The Killing。
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