Nels Cline / Carlos Giffoni / Alan Licht / Lee Ranaldo 『Nothings Makes Any Sense』

また月ごとの更新数を水増しするために、このタイミングで更新かけますよ。
いい加減また感想書こうかなーCDタワーが崩落しそうになってきたのもあって。

Nothing Makes Any SenseNothing Makes Any Sense
(2007/11/19)
Nels Cline、Carlos Giffoni 他

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パッケージの背にはデカく"no sence"、中ジャケにあるのはPeter LaughnerによるLou Reed『Rock'n'Roll Animal』のレビューからの引用…1974.1.7、Zeppelin magazine、とある。"nothing makes any sense"という言葉はこのレビューの中で度々登場していて、今回のアルバムのタイトルはそこから取られているようだ。で、アルバムの中身は02年の1月7日にtonicで行われたライヴを収録したものになっている…。1月7日という日付に掛けてこのタイトルを引っ張って来たんだとすると、ずいぶん手の込んだことするなー。

アルバム内容は、4人による53分一発のノイズ即興。
アヴァンギャルドからフリージャズ・即興までこなすNels Cline、同じくアヴァン系ギターの名手Alan Licht、お馴染みSonic YouthよりのLee Ranaldoの3ギターに、ベネズエラのノイジシャンCarlos Giffoniという組み合わせ。
ギターの3人は演奏技術も卓越したものなんだけど、それ以上にかなりぶっ飛んだエフェクトペダル・フリークというところに共通の特徴がある。それだけに、はっきりギターと分かるようなトーンが鳴っている部分のほうが少ない。Carlos Giffoniが操作するのはアナログシンセと自作ノイズ機器、大量のエフェクト・ペダル。普段やっている音楽もかなり原理的なノイズミュージックで、ここでの演奏はそんな彼のカラーがベースとして大きく出ている気がする。つまりは聴いての感触はほぼ純粋なノイズインプロ。
このうねる高域持続音はNels Clineだな、とか、暴風気味ファズはLee Ranaldoだなとか、部分部分でなんとなくプレイヤー色のある音が現れはする。が、演奏の大部分において音は見事に溶融してひとつの音場を形成している。具がなくなるまで煮込んだカレーの如しの絡みぶりはこの演奏のひとつの面白さと言えそうで…、全員がかなり破天荒にして前衛的なプレイヤーなために、合わせているという感じは全然ないんだけど、音が同じ方向を向いているというのかな。ドラムやパーカッションがいないというのもたぶん大きいはず。ギターの3人もほとんどアタックに無頓着な演奏をしていて、その意味でドローン的な部分がある。でありつつ、多種多様な過激サウンドが行き来して音の波は起伏に富むなんてもんじゃないんだけど。
段々と盛り上がって、というような大きな流れはない。大きなモチーフもない。ただ、持続するノイズの上に乗る音は常に形を変え続けて同じ場面は全くなし。トゲだらけの歪む音の粒が埋め尽くす展開あり、延々続くフィードバックに呑まれる展開あり、まるで30人の演奏者がいるかのような触れ幅を見せるサウンドはギター表現の枠をかなり超えまくっている気がする。Carlos Giffoniの提示するサウンドスタイルに自由すぎるギタリストたちが乗っかってこういう音になっちゃっているのか…、まぁしかし各々の技量がハンパない。技量というと違うか。まさに「表現力」と言ったらいいのかな。この場に加わるような音を出せる演奏者が、どれだけいるんだろう。
ノイズ寄りのものだと未だにうまく言葉が出てこないんだけど、これは極上の演奏だな、と…。それぞれ4人とも好きな演奏者ではあるんだけど、誰もが今まで聴いたことのなかったような音を出してくる。それでもこの面子、予想は裏切り期待は裏切らねえってやつで…(というか面子見たときにどんな音が出てくるのか全く想像できなかったけど)。いやほんとこれをどう言ったものか困った部分もあるんだけど、似たもののない音楽で、しかも最高に気持ちいい、僕的にはそれだけで満点ですって言うに充分な気がする。

そういえばこのアルバム、Carlos Giffoniが自身のレーベルからリリースしているんだけど、そのレーベル名が"No Fun(楽しくない)"。確かに。違いない。
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