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Jon Irabagon 『Foxy』

FoxyFoxy
(2010/09/07)
Jon Irabagon

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「クソヤロー!狂ってやがる」僕は戦慄した。"Foxy"-"Proxy"-"Chicken Poxy"-"Boxy"-"Hydroxy"と続くトラックは5つめで、フェードインからの唐突な演奏が始まってから30分経っている。トラック間には切れ目がなく、そうして30分間の間、ベースはフェイクを織り交ぜた4分音符を吐き出し続け、ドラムは拍も小節も存在しねえんだとレガートで暴れまくっていて、サックスはひたすらに吹いている。吹き続けている。CDのトータル収録時間を確認して眩暈に襲われる。78分間。78分間ひたすらに音を出し続けるつもりだこの人たちは。Jon Irabagonという人のいい意味での馬鹿野郎振りはOutrightMostly Other People Do The Killing聴いても分かるんだけど、今回のアルバムはトリオという編成でリーダーで、ということでその馬鹿さが馬鹿みたいに全面にまろび出されている内容。これはフリージャズと呼ぶべきか?サウンドの表面はハッピーで泥臭いブルースのように聴こえる、が、10分も聴いてるともうその異常さに気付いてくる。とにかく音が途切れない。ここでのIrabagonは、君が爆笑するまで吹くのを止めないッ!とばかりにとにかく徹底している。サックスというのは大層体力を使う楽器らしいけれども、じゃあこの人は何なのか。休憩してないぞ。箱根駅伝走ってるんじゃないんだぞ。しかも無限に湧き出る泉のように次から次へと新しいフレーズ繰り出し続けてるんだぞ。ありえないぞ。ってことはあれだ、この人は人間じゃない。これtwitterでも使ったネタですけど、イラバゴンって名前が怪獣っぽいじゃないですか。ヒバゴンみたいなね(UMA)。だから金管怪獣イラバゴン、ってこれはあんまり面白くないなって思ったんですけどね。見た目はピグモンに似ててね。で話は変わりまして、何で今日はこんなウザい書き方をしてるかというと、僕もこのインプロヴィゼーションに加わろうと思って、戦ってるわけです。アルバム聴きながら即興的に、途切れず言葉を紡ぎ続けようと思ったわけです。でもこれ聴いてると正直あんまし集中できないんすよね。というか踊りたい。踊りたくなってくる。アルコールはもう相当入ってて足はもつれがちだけど、何とかグルーヴの尻尾を捕まえる。Peter BrendlerとBarry Altschulに必死でしがみつき半ば引きずられるようにして体を揺らしてみる。"Unorthodoxy"-"Epoxy"-"Roxy"。リズムもメロディも熱も呼吸も、音楽の全てはまだ君の手を離しちゃくれないよだから一緒に踊ろうよ。こんなにいい夜じゃないか。素敵じゃないか。素敵じゃないか(Wouldn't It Be Nice)。2人一緒に幸せなときを過ごして、ひとつひとつのキスが永遠に続くんだよ。素敵だよね、僕たち一緒になって考えて、願いをかけて、望みを託して、最後には祈って…。ほんとのことになるかもね、だって2人にできないことは何もない。結婚しよう。そうして2人で幸せになる。最高に素敵じゃないか(Wouldn't It Be Nice)。音楽の枠組みが全部消え去ってただアタマの中が幸せ感で埋め尽くされて、何となくビーチ・ボーイズの歌なんかを口ずさんでいる。"Moxy"、早回しのエンドロールのような。性急なニューオリンズがやって来る。アルバムはクライマックスを迎えようというのに、演奏は一向にスローダウンの気配も見せない。音楽はずっと寂しい位に幸せなまま。そうしてやって来る終わりは…唐突に途切れる。テープが切れたように。フェードインで始まって、ブッツリと終わる。最初から音楽は枠の中にはなかったわけだ。音がずっと鳴り続けていたのはそのせい。始まりはないし、終わりもない、荒削りなんて言葉じゃ足りない、音楽としての加工をすらされていない生身の音楽。音楽は今も鳴ってる、それってとても、素敵じゃないか。だからおやすみベイビー、ぐっすり眠るんだよ。



ウェイ・アウト・ウエスト+3ウェイ・アウト・ウエスト+3
(2007/09/19)
ソニー・ロリンズ

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ロリンズめ、このアルバムのジャケをパクってやがる!
 

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