Tim Berne / Jim Black / Nels Cline 『The Veil』

前の記事でちらっと告知した5/17(木)高円寺でのライブ、出番が二番目に決まりました。
19時半くらいから演奏するみたいですね。まぁまた近くなったら書くと思います。

VeilVeil
(2011/06/07)
Nels Cline & Jim Black

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現状Nels関係の最新リリースということになるのかな?
cryptogramophoneからの11年作、09年the stoneでの即興セッションライヴの録音。
アルトサックスにTim Berne、ドラムス、ラップトップにJim Black、ギターがNels Clineというトリオ。
1時間ノンストップの演奏を9つのトラックに分けて収録してある。

この音源を聴いての印象は、Nelsのギター弾きまくり、これに尽きる。
サントラ作品『Dirty Baby』や、バンド・楽曲としての音を重視したNels Cline Singersでのリリース等、ここ最近のところでは自由にギターを弾きまくっている録音が少なかったかな?というところもあってかは分からないが…。
ここでのNelsはとにかくギターを弾きまくっている。はいもう弾きまくりって3回言った。

冒頭"Railroaded"、勿論最初の一音はギターから始まる。三者の高速の絡みからへヴィなリフのパートへ。サックスのソロ後ろから徐々に手数を増やすようにして、いつの間にやら弾きまくり体勢で埋め尽くすギター…。のっけから出し惜しみせずのバカテクっぷり。
この6分間、演奏は即興と思えないほど明確な形を持って、しかも早いスピードで展開していく。3人の演奏に共通するのは音楽的な反射神経の良さ。Jim Blackはこうしたアヴァン系を演るドラマーとしては明確なビートを打つスタイルで、ゆえにごまかしがないと言うか、他の演奏者の出す音に即座に反応してパターンを作り上げていく様子がよく分かる。Tim Berneは僕の中ではなんとなく"あまり暴れないが雰囲気作りのうまい人"みたいな印象があるんだけど、ここではその演出力が演奏を次から次へと新しい局面を展開しているという印象。で、一番自由に泳ぎまわっているのがNelsかなという。

"Impairment Posse"の後ろにはベースラインが流れているけれど、これはBlackのラップトップによるものなのか、Nelsのエフェクトによるものなのか分からない。で、ここで聴きものはやはりギター。変態エフェクトでイビツに変形したギターが無茶苦茶にのた打ち回り痛快この上ない。続く"Momento"では空間/残響系のエフェクトを駆使して電子音響な演奏を繰り広げていて、この振り幅も面白い。

冴え渡る変態ギターと言えば"Dawn Of The Lawn"前半でのプレイも外せない。
どんなエフェクターを使っているのか、逆回し/カットアップ/ターンテーブルのスクラッチの混じったような意味不明なサウンドが湧いてくる沸いてくる。尋常じゃないバカテクっぷりもそうだけど、個人的にはNels先生といえばこのエフェクト達者ぶりも同じくらいの個性なんじゃないかと思う。
ちょっと意外に聴こえるのが"Rescue Her"で、ここではストレートなリフ&ビートに歌い上げるサックスと、アルバム全体からすると少し違った形でまとまりのある演奏を聴かせる。展開も全体がひとつに導かれていくような自然なもので、これをパッと出来てしまう様なところがこの3人の凄いところでもあるかも。

ラストの"Tiny Moment Pt.1"、同"Pt.2"は空間的な演奏を軸にしつつ、ギターはその中にエフェクティヴ/轟音/弾きまくりまで溶かし込んでいるという恐ろしい演奏。バシッ、バシッ、という感じではなくて流体的に音楽の展開が流れているのが、全体からするとまた面白い印象だったりする。

…そんな感じで、この手の即興ものにしては全体にまとまったノリがあり、ある種ロック的な成分が多く、ストレートに楽しめるハイテンションなライヴ盤という感じ。そして、何度でも書くけれど、Nels先生のギターが凄まじい。冴えまくり。ギター変態大好きの人たちに是非是非おすすめしたい。
そんな一枚でした。


続きにライヴ動画など。
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