Neneh Cherry & The Thing 『The Cherry Thing』

え~…。
こちらの記事から色々辿れるようになってたり、こんなのもあったりで、僕、The Thingというバンドが大好きなんですけども。
最近やたらに活動的な彼らの最新リリース!これは黙っちゃおれねえということで。
チェリー・シングでございます。



Cherry ThingCherry Thing
(2012/06/19)
Neneh Cherry & The Thing

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説明しませんので詳しくは上に貼ったリンクの記事を読んでくださいのノルウェーの破壊的ガレージ・フリージャズトリオ、The Thing。この人たちのバンド名の由来はDon Cherryによる同名の曲タイトルから来ている。最初にセッションしたのがこの曲だったから…ということらしい(実際に演奏しているものをJoe McPheeと共演した2ndアルバム『She Knows...』で聴くことができる)。
で、今回コラボしてるシンガーソングライターのNeneh Cherryさん、Don Cherryの養女とのこと。縁は異なものと言ったもので…としみじみしてる場合じゃなくって、今回の『Cherry Thing』、期待に違わぬ好内容の一枚になっている。
今かなり話が飛びましたけど、まぁ僕、このNenehさんについてよう知らんのですよね。あれ?のど飴好きなのかな?国民的お姉さん?ってね。こういうのはもういいですかね。


このアルバムの面白さは、歌とバンドがそれぞれに個をもって、対等に渡り合っているということにつきる。渡り合ってる、じゃないか。ぶつかり合ってる。
その瓦解ギリギリのようなバランスがそのまま熱となって、音源に押し込められているよう。
アルバム冒頭に据えられているのはNeneh Cherryによる"Cashback"で、ここで印象付けられるのはその型に捉われないリズムと煙たくソウルな歌唱。ベースのみのイントロからMats Aleklint、Per-Ake Holmanderのゲスト管楽隊まで加わっていく楽器隊はここでは歌を映やすことに徹していて、ご挨拶といったところ。
Nenehの曲があるということは勿論Thing側も曲を提示しているわけで、それがバリトンサックス担当でお馴染みMatsの"Sudden Moment"。ワン・モチーフを繰り返すスタイルの彼らしい曲、しかし尺はアルバム中最長の8:27…。この時点でThing好きにはピンと来るわけだけど、曲は半ばでゆらゆらと形を崩し、いつの間にか畳み掛ける雪崩れのインプロへ。アルバム『Bag It!』でも聴かせたエレクトロニックノイズ要素がここでも入り込んで、凄まじい音密度の演奏。クールなテーマ部との対比も聴かせる。

全体としては様々なところからのカバーがアルバムを構成していて、重く溜めたマッシヴなリフが印象的なガレージ・ジャズ"Too Tough To Die"はMartina Topley-bird、The Thingらしいと言えば轟音カオティック爆発を見せるStoogesの"Dirt"などなど…。
ジャズサイドからは勿論ということでDon Cherryの"Golden Heart"、この曲は深くエコーさせたヴォーカルでサイケデリックに料理されている。他にアルバム最後を飾る"What Reason Could I Give"はOrnette Coleman。こちらはOrnetteの曲らしい、調を感じさせないような浮遊感。そこに乗る優しく歌いかける声と美しいメロディ。ベースソロからアカペラへと抜けていくクライマックスが絶品。

最後に書いておきたいのはM2、Suicideのカバー"Dream Baby Dream"。
ThingのレパートリーのひとつでもあるMongezi Feza"You Ain'T Gonna Know Me 'Cos You Think You Know Me"を思わせるシンプルで甘い旋律、リラックスしたリズム体。ビブラフォンやエレクトロニクスも加わり、幸せでノスタルジックなような音は遊園地のナイトパレードを思わせる。踊るバリトンのソロだけがハードで、しかしそれも全体に溶け合うようになって不思議な印象。演奏は8分を過ぎて、音はゆったりと彼方へ通り過ぎていく。それでも真夏の夜の夢は続く、シンガーは繰り返し歌い続ける、"ベイビー、夢見ていてね、ずっと"…。



今回のアルバム、聴きながら浮かんでいたのがTwo Bands And A Legendのアルバム。内容としては全然違うんだけど、Thingが歌のバックを務めると全然バックバンドにならずに音楽をシング色に染めてしまうというところで…。
それがTwo Bands~ではガレージロック~フリージャズ~ノイズまでぶっこんだようなモノになっていたけど、今回はもっとソリッドでシンプル。しかし普通の歌ものアルバムではない。うーん面白い。
The Thingというと、近頃は大編成のThe Thing XL、Scorch Trioとの合体Scorch Thingといったライヴセットも披露しているようで、そちらの音源も待たれる…いや…待ってます…。
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