Spoo 『Spoo』

最近観に行ったやつで、ラブリー・モリー。
これ、ブレアウィッチ作ったコンビの片割れのエドゥアルド・サンチェスの映画なんですが、
ほの暗く透かされる陰惨な背景と、ひたすらにじりじりと不安を煽りまくる演出がとても良い映画でした。
音響も非常に凝ってて、環境ノイズを執拗なくらいに捉えていくんだけど、それがTortoiseの担当する前衛的な
サウンドと混じり合って独特な空気を作り出しててまた。
あとはDVD借りて観たアミール・ナデリのCUTという映画、これが圧倒的にスゴかった。
何がどうっていうのは表現し辛いんですけど(長くなってしまうし)、ボコボコにぶん殴られた気分になりました。



spoo.jpg
僕のはナンバリング200/300となっているけど、art into life屋さんにまだ在庫がある模様。

今回取り上げるSpooはフランスのフリージャズトリオ。
恐らくこれが初音源。完全自主制作、2010年録音。
Eric Brochard - contrebasse
Nicholas Lelievre - batterie et percussions
Eric Vagnon - saxophones alto et baryton
とまぁいろいろ情報はあるけど、どのメンバーも今回初めて知った感じで…
というかフランスのフリージャズとか全然知らんので、あっちの欧州ってなんかマジメそうなイメージあるなぁ、とか。
なんて思いつつ聴いてみるとこれがとんでもない。

アルバム内容は6曲50分で、曲タイトルは"Hu"から始まって"HuHuHu"となり"HuHuHuHuHuHu"(本当はuの上にフランス語特有のあの何か点々みたいなやつがついてる…)に終わるという潔さ。恐らく完全即興。
頭の2分余りのトラック、まず飛び込んでくるのは異様に重く歪んだ弓ベース、続いて下品にグロウルするバリトン、ドラムはスローなリズムを刻んでいる。一聴して感じるのはその音の重心の低さで、ベースがやたら音を埋めまくっているのも一因だろうけど、バンド全体が溜めたノリで演奏しているような。
演奏は基本的にパワースタイルで、まぁゴリッゴリの轟音。ただその中でこの重心低めというスタイルが聴き進むほど際立ってくる。言葉が正しいのかは分からないけど、印象を言ってしまうとドゥーム・ジャズ。それくらいに下に寄っている感じ。

アルバム中に違った空気を持ち込んでいるのが"HuHuHuHu"で、最長の17分超の尺になるこの演奏は、実験サイレント・ドローンスタイル。
これが非常に面白くて、このバンドの特性をよく表しているというか。延々持続音を発し続けるベースに、シンバルとタムを用いた擦掻ノイズドラム、空間を震わせるバリトン。これがもうじっとりと、遅く遅く音の圧を上げていく緊張感に満ちた一品で、他のこうしたアブストラクトなフリージャズとも一線を画している感じ。
正直生音系ドローンとか好きな人はこれだけで買う価値あるかもしれん。

ラスト2曲はドラムがリードするパンキッシュ爆走スタイルもチラリと見せつつ、やはりドドドドドと激しく唸るベース中心にドゥーミーなサウンド。
まぁなんというか最後まで個性のハッキリしたバンドで、それゆえにありがちなところからは頭ふたつ抜けてる分、好きな人だけ聴いてくださいみたいなところもあるというか。まぁ僕は大好きなんですけどね。
しかしこのサックストリオというスタイル、やっぱりジャズのひとつの基本形ではあると思うんだけど、いまだにこういう新しい(変な)音出てくるから面白いな。これは唸らされました。


spoo2.jpg


マイスペでちょっと聴けます。
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