Colin Stetson & Mats Gustafsson 『Stones』

3月はスーパーデラックスでかなり面白そうなライヴがありますね。
まずOren Ambarchiが今年もやってくるということで、去年もライヴ・音源ともに素晴らしかった灰野・オルーク・アンバーチ
それに+してアンバーチ・オルークデュオ、これ僕の好みど真ん中っぽくてめちゃくちゃ気になっています。
あとJohn Duncanがやってきますねここ読んでもらえば分かるんですが、この人いわゆるアクショニズム系のかなり過激なアーティストで、今回一緒に出るのも非常階段なんでもしかしたら見てるこっちに危険の及ぶパフォーマンスになるかもですけど..私、気になります!


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StonesStones
(2013/01/22)
Colin Stetson & Mats Gustafsson

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今日の音源はおなじみノルウェーの前衛レーベルrune grammofonから昨年末に出ていたもの。
内容は
Colin Stetson - alto and bass saxophones
Mats Gustafsson - tenor and baritone saxophones
のサックスデュオによる即興作。
全4曲35分。


Gustafssonのほうは適当に記事検索してもらえれば分かる通りうちでも過去に何度も取り上げているプレイヤー。
パンキッシュ豪腕爆音スタイルで今のフリージャズシーンを代表するサックス奏者。って感じ。
Stetsonも近年非常に話題になった演奏者だけど、うちでは初めて取り上げるので彼について少し。



Stetsonの基本スタイルは巨大なバスサックスによるソロ演奏。
なんだけど、この人の演奏の凄いところはオーバーダブやエフェクトを用いずにサックス一本でガチガチのミニマルミュージックを作ってしまったところにある。見たところ循環呼吸やボイス、操作音にタンギングにと総動員してこうした演奏をしているようだけど、門外漢には理解できず(ていうかサックスの人に聴かせても「どうやってるのか全く分からん」って言ってたけど…)。
通常フリージャズ的なものが想像されるサックスソロという分野に現代音楽的な要素を大胆に持ち込んだことや、その演奏の職人気質なものを感じさせる見事な完成度で一気に話題になったのがこの人…という感じ。


で、この人とMatsの二人、バスサックスとバリトンサックスという似た楽器をメインに用いながらスタイルは正反対も正反対、水と油…に思えて非常に興味を惹かれて買ってみたのが今回のアルバムというわけ。
で、結論から言うとこれ大変に格好よろしい。二人のランナーが同じ地点に全く別の道のりで辿り着こうとしているような、そんな演奏。

圧巻は冒頭の12分の長尺"Stones That Can Rest Heavily"。
ここでの演奏の特徴は基本的に一音一音が長く、重く、遅く取られているということ。低音の2管がふんだんに余韻を作りながら一音ずつ撃ち込んでいく。部分部分でドローン的にすら聴こえる重厚な音の感触はまさにアルバムタイトル『stones』という感じ。
こういう時に際立つのはやはり管楽器の、呼吸によってダイレクトに音を操作できるという特性であるように思う。揺らし方、減退、波打たせ方みたいなところに、音の途切れる先端まで意識がギチッと詰めてあるような。
中盤にスピードを上げて展開する部分も、演奏には抑制とコントロールの意志が感じられる。このあたりコンセプトを持って臨んでいるのではないかなという気がする。

続く三つの演奏も頑固というか、互いにそれぞれ自分の音で吹いているんだけど、一方でしっかりとひとつの音楽にまとまっている。
短い発破音の連打やロングトーン等、ひとつのスタイルを片方がミニマルに反復し始めるともう片方もそこに乗っかっていく...二人が似た操作をしている部分、それゆえに浮び上がる差異が印象に残る。音の交換はときおり、互いのスタイルを交換するような転倒したプレイにも至っていく。そこでまたはっきりと二人の違いが見えて、これはやっぱり呼吸の違いなのではないかなと思う。
幅広く色彩豊かというような音楽ではないけれど、一貫してゴツゴツした重いサウンド、ストイックで堅固な独特の触感は、アルバムとして強い印象を残してくれる。




...そそ、これ聴いてて思い出したのがPeter EvansとNate Wooleyのデュオ作。こっちはトランペット2本でメタリックなノイズをやっていて、音は違うけど方向は似てるというか。
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