Okkyung Lee 『Ghil』

新しいエフェクター買っちゃいました~
大好きなNYCのノイズロックバンドA Place To Bury Strangersの秘密基地でシコシコ作られているエフェクターのブランド、Death By AudioのEcho Dream 2というやつですね。
こんな感じのやつです。



まぁディレイですね。


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Ghil [Analog]Ghil [Analog]
(2013/07/09)
Okkyung Lee

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この人、初めて書くかなと思っていたら、過去に一度取り上げていたんですね。
というわけでNYCを根城に活動する韓国系チェロ奏者Okyyung Lee イ・オッキョン、今回は完全にソロ作となる出たばかりのLPをご紹介。

内容に入る前に…、この作品、制作まわりで関わっている人たちが結構面白くて。
リリースは世界最轟音ギタリストStephen O'malleyのレーベルIdeologic Organから。
ジャケを撮影したのはおなじみNYCで活動するやはりアジア系アヴァンギャルドミュージシャンのC.Spencer Yeh。
録音はこちらもおなじみ、世界を股に駆けるノルウェーのノイズ・アーティストLasse Marhaug。
古いアナログのカセットデッキだけを使ってシンプルに録音されたとかで、そんなとこに気を使って聴いてみても面白いかも。

LPの中身は上に書いたとおりチェロによる完全ソロ演奏で、9曲入り45分というもの。
で、チェロの独奏なんて言うと、クラシカルなちょっと小奇麗なものでも想像してしまいそうだけど、全然違くて…スッゴいんだこれが。


例えばA面tr.2"two to your right, five to your left"における演奏。
早いパッセージから一気に高速で明滅する高域のノイズへと抜ける演奏は、ディストーションでもかけているのか、ほぼエレクトロニクス的ですらあり、間違ってもチェロの演奏とは聴こえない。いかに楽器の本来意図しない領域へと迫るかというフリークアウトした音。
B面に移って"cheol-kkot"では黴の津波が押し寄せるかの如き崩壊シンセウェーブといった風情で、ささくれ立ったノイズを満遍なく纏う音はやはりどう聴いたってチェロのそれじゃない。
暴力的な音の波も弾けて回るねずみ花火のようなノイズも、"正しい音楽"、っていうか、"その楽器たる演奏"、っていうようなもののど頭をぶっ叩いて返す弓さばきでファックするような、そういう壮絶なものだ。
ラスト"over the oak, under the elm"での、最早これチェロ破壊してる音収録してるんじゃないか?と言いたくなるようなソロには圧倒される。

これ聴いてて思うのは、この音楽は何だろうか?っていうことで…。
これは現代音楽である気もするし、フリージャズであるかもしれないし、ノイズミュージックなのかもしれないし...ゆえにどれでもないような...あえて言うとすると、純粋な楽器演奏、ってことになるんじゃないか?と思う。
楽器をいったんそれのための演奏技法から切り離してみて、単なる機能の集合と捉えてみる。叩くとこういう音が出る、弾くとこういう音が出る、というような。その地点から楽器を、奏で直す、っていう操作がこれなのかな。
例えばSteve NobleやChris Corsanoのソロにおけるドラムを弾き倒す、という演奏、Oren Ambarchiにおけるギターを全く押弦しない、という演奏を想像する。世の中にはそれを天然ではなくて研鑽と洗練で形にしていく化け物のような演奏家というのがいて、このイ・オッキョンという演奏家もそこに接近しているということなのかも。
そういう、純粋演奏、とでも呼びたくなるような音楽がこれで、ジャケットにあるような不敵な顔でもっていきなりこれを提示して見せたこの演奏家に僕は戦慄してしまった。


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