V.A. 『Heavier Than Jupiter Vol.7』

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あの~僕が結構通っているイベントがありまして、それが"木星より重い Heavier Than Jupiter"という、これは銭湯の地下にある落合soupというライヴハウスでやっていて、あ、ここがまた地下音楽の先端を行っている感じの凄い箱なんですけども。
で、まぁ、今回取り上げる音源は、タイトルからもわかる通り、そのイベントのコンピレーションアルバムが出たというやつですね。あ、vol.7ってあるんですけど、これはイベントが過去6回やっているという意味で、七枚目ということではないです。

http://daveskipper.bandcamp.com/releases
お求めは主宰の東京在住実験音楽家Dave Skipper デイヴ・スキッパーのbandcampからオーダーで。
試聴もありますぞ。

で、え~っと、このイベントはどういうイベントかというと、ノイズアーティストのコラボレーションライヴが一晩で4~5組とか見られるというまぁとってもいいイベントで。
その中に時たま海外からのゲストが出たりとか。これも非常に面白い人が来ます。
Clang Quartetは確かこのイベントで見た人だったな。

コンピの内容もこのイベントの出演者が音源を提供していて、内容は7組7曲。曲の尺は全て7分ジャストで、49分の内容。

"Nostromo"、先陣を切るのは黒電話666。
今年はスイスのアングラ音楽&映画フェスLUFF出演といつの間にやら地下ノイズ日本代表の一角という感もあるこの人なんですけども、いや僕大好きなんですよね。この人のライヴはとにかくすばらしい。名前の通り改造黒電話をインターフェースとしてそこに大量のエフェクターを接続、ハーシュノイズを作り出すというスタイルで、その太いフィードバックの質感の気持ちいいこと気持ちいいこと。都内では頻繁にライヴやってるので、是非に是非に一度見て頂きたい。
で、今回のトラックはというと、ライヴでの高速で裁断されるフィードバック・スタイルからは意外な、入道雲めいた凶悪ウォール・オブ・ハーシュ。しかしやはりこの音質量に潰される感じ、抜群に気持ちいい。この人基本一発録りスタイルらしいけど、これもそうなのかな。とんでもねえ…。

"Warthog Vignettes"、続くのはKelly Churko ケリー・チュルコ。
この人はノイズのみならず爆音フリーなジャズなんかでも、一昨年くらいまで頻繁にライヴをしていたんだけど…今は持病の療養の為帰国中とのこと。こうして音源が届けられるのは嬉しくもあるけど、自分としてはこの人のブッ壊れたギタープレイ大好きだったので、早く体治してまたこっちでライヴしてほしいなーと。
今回は飽和したノイズ泡がそこかしこで弾けるデジタルな音響で、ミニマルな展開含めこの人の今まで知らなかった一面見れたなーという部分、面白かった。次はバリバリギターノイズ出してる奴を是非!

"Tool-Assisted Slowrun"、若手ノイジシャンSpore Spawnによる曲で…ってこの人の出てるときは折悪く見に行けなくて実際に演奏してるところは見たことないんだな。例によってノイズ系の人は情報も少ないしな…。
で、このトラック、いやーめちゃくちゃカッコイイ。具体音と暴力的な金属系ジャンクノイズ、耳に突き刺さるフィードバック入り混じる即物的アナログ・ハーシュで、どことなく漂うホラーなセンス含めめっちゃ好みですこれ。音がめまぐるしくのた打ち回って、最後絶叫してるのとかも良い!これはライヴ見たいな。

"Cacna1s"、Yousuke Fuyama。
この人も(名前の漢字が分からないくらい)自分のほうで情報を持ってないアーティストなんすけど、ライヴは幸いにしてこの前見られました。黒電話さんとの共演で。そのときの演奏は非常に面白くて、この人は映像と音の合わせ技スタイル。ラップトップを用いてリアルタイムで抽象的な映像を組み上げていく。そこにドットが打たれればドン、ドン、と。イメージがグルッと回転すればギューンと。対応する音が出力されていくという。
この人は完全にデジタル、エレクトロに寄った音で今回のコンピの中でも異彩の音。ハーシュノイズ的な場面は全くなく、細かい電子音がスピーディにランダムに跳ね回ることでノイズを表現しているという、センスの光る一曲。

"Subterranium"、主宰Dave Skipperはギター使ったパフォーマンスなんかもやるけど、僕が見てて印象深いのはやっぱりモジュラーシンセ使った演奏をしているとき。この人の演奏とか何度も見てるから、モジュラーシンセっていいノイズ機器だなっていうイメージが…w
聴く感じ、やっぱり今回の曲もアナログで作ってるのかな。太い駆動音~発振系の音が多重に重なって作られるノイズはモジュラーっぽいな~という気がする。ピート・スワンソンとかがノイズにいってるときに近いというか…。発振音がグネグネいってるやつは好きで自分でもよくやるんだけど、これは気持ちいい。

"Trip"、Jah Excretionもやはりライヴをかなり頻繁に行っているアーティストというイメージで、やってる事もノイズから完全アンビエントなときまであるという感じ。シンセやサンプラーを主に用いて、音はスローで重いタイプのノイズ…っていうのが今まで何度かライヴ見ての感想。
これは今回の収録曲の中で一番意表を突かれた。ハーディ・ガーディ的な、ラーガドローンの音が基底にあって、そこにいくつもの持続音~ヴェールがディレイとモジュレーションを伴って重なっていくという空間ドローンノイズ。空間捻じ曲がりまくりで、タイトルの通り気持ちよくトリップできる一曲。こういうのが出てくると、ノイズって言葉の下にこんな音も成立しうるんだ、って未だに驚きますよね。

"Exocytosis"、Hiroshi Hasegawa。
この人はASTRO、C.C.C.C.としてもおなじみの大ベテランで、音の方向性もわりとはっきりしているアーティスト。即ちそのスタイルは分厚いノイズの巨大な渦を形成するコズミック・ハーシュ。
今回もまさにそのど真ん中の音。轟音の壁の表層で、太陽のフレアのように電子音が飛び出してはうねり消えていく。このドスの効きまくったノイズ壁の迫力は流石の貫禄。7分とは思えないくらい耳疲れますけど、身の詰まりまくった美味しいノイズです。


というわけで全曲いってみたんですけど、いやこれはいいですねえ。どれもクオリティが高い、かつ、方向性がうまい具合に散っていて、とりあえず聴いてみたら好きなノイズ見つかるんじゃないでしょうか。
で、やっぱノイズってライヴ・ミュージックな側面は大きいので、もし気に入ったのあったら是非ライヴにも足を運んでほしいですねえ。あっ、その際には耳栓持参で。
しかしノイズって日本だと特にホントに一握りの有名どころは誰でも知っていて、他に若手で物凄い面白い人が沢山いてもそういう人はどうも知られてない、って感じだと思ってるんですけど、まぁ僕も有名どこの人好きですよ。非常階段とか何度もライヴ見てるわけですし。でもこういう地下シーンの人も、何よりその特異な音を生み出す特異な演奏スタイルを間近で見られるって点で(こういうののライヴ、本当に文字通り目の前で見られるやつが多い)ライヴ見たら絶対楽しめると思うんすよね。ソース僕ですけど。
そんな感じでトーキョー地下ノイズの入り口的に聴いても面白い一枚だと思うんで、是非是非。


続きにライヴ映像など

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