Antoine Chessex 『Terra Incognita』 『Fools』 『Dust』 『Errances』

スイスのサックス奏者/テープ作家/現代音楽家Antoine Chessex アントワーヌ・シェセクスという人がいるんですけど、最近この人の音源をまとめて入手したのでご紹介。
しかしこの人ほんと音源が手に入りにくい。極少部数かつレーベルもフォーマットもバラバラとか。
例によってart into life屋さんでごくたまに出たりするので、お願いメールとかしてみるのもいいかもですね。

DSC_0828.jpg

この人80年生まれのまだ若いミュージシャンで、活動もまだここ10年くらいらしい。
そんなわけで今回聴く音源も新しいものばかり。時系列順に。



『Terra Incognita』『Fools』
写真で一番下に敷いてあるパッケージのLPと左のカセットがこれ。
09年、10年の作品であるこれらは方向性としては同じものなのでまとめて。
僕が初めてこの人の名前を知ったのもこの形式の演奏でなんだけど、ここでやっているのはサックスソロ。
カセットのほうを見るとテナーサックスをエフェクターかましてマーシャルJCM800に突っ込んだというようなことが書いてある。
そのカセット、循環呼吸とフィードバックを利用したものと思われるドローン的な演奏も含みつつ、基本は轟音放射のアンプリファイドノイズ。Wasteland Jazz UnitやBorbetomagus系列のハーシュな演奏で、時たまそれっぽい咆哮が浮き上がってくる他はサックスらしい要素ほぼナシ。
ノイズとして捉えると以外にもバリエーション豊富な音が鳴っていて、速い展開はないものの刻一刻と変化する音像で飽きさせず聴かせてくれる。
このサウンドはLPのほうでも同様で、こちらももうともかく頭のおかしいノイズが放射され続けるハードコアな内容。フォーマット由来の荒々しい質感も相俟って凶悪な恰好良さの一枚と一本。


『Dust』
11年作、右側のCDは切らないと開封できない大きなステッカーの封が目印のレーベルCave12から。
ここはFrancisco Meirinoの作品もリリースしていて、わりと現音寄りなのかな。このCDもそっちの内容。
今回シェセクスは作曲で、演奏は別のミュージシャン達が担当している。
編成は3ヴァイオリンと1人のテープリール、エレクトロニクス奏者。
30分1トラック、演奏はヴァイオリンの延々鳴り続ける持続音をベースにしたもの。
いくつかのパートに分かれてはいるけど、全体では統一感がある。不協和なままの持続音、エレクトロニクスからの低音ノイズ、テープでさらに重ねられていくヴァイオリン…ダイナミクスの動きはなだらかで大きな変化を感じさせず、また演奏のトーンとしてはひたすらにダーク。
不協和音/クラスター系の弦楽アンサンブル+持続演奏という現代音楽としてはわりかしスタンダードな内容だけど、ドロドロの暗黒っぷりはサックスでの演奏にも通ずるところがあるような…気がする。


『Errances』
写真中央のCDがこれ。去年出てた最新作。
ベルギーの謎のレーベルunderから出た100限もの。
またも30分1トラックで、今回はサックスの多重録音で制作されたもの。
で、これがまた上の作品たちから地続きの暗黒さ。
意外にもノイズな展開は無しで、全編に渡って持続音演奏のサックスが不協和なハーモニーを織り成しながら重ねられていく。
ブレスノイズも多分に含んで濁った音、上方をリレーしながら響くオルガン的な高音、中心部には変化なく鳴り続ける循環ドローン。上の『Dust』の演奏をすべてサックスに置き換えたとも言える内容ながら、響きのモノクロームでダークな感触は更に更に推し進められている。
どこまでも深く沈んでいくような暗黒現代音楽の異端サウンドは大音量で聴けばかなり落ち込める。素晴らしい。
平原にただ打ち棄てられたゴミ達の白黒ジャケもそのままな内容。
ちなみにタイトルはフランス語で彷徨、放浪という意味。



作曲家としての面と演奏家としての面、やっている事が違うのかと思いきや暗黒ドローンな部分は同じ。
そんな感じでおすすめ音楽家アントワーヌ・シェセクスの紹介でした。
音源とか出てもすぐ手に入れるのが難しくなるので、見かけたらとりあえず買っておくといいと思います。


続きにライヴ映像

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