Dave Phillips 『South Africa Recordings』 Marc Behrens 『Sleppet』

今日は二本の映画を観て来ました。
『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』、『愚行録』、どちらもメチャクチャ良かったですね~~
前者は少し早く春がやって来たような晴れやかな気持ちで映画館を出られる映画で、後者はどんよりとした気持ちで息も絶え絶えに映画館を出ることになる映画です。











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今日はフィールドレコーディング二作。
どちらもArt Into Lifeで買えます。

southafrica.jpg
うちでは何度も取り上げているスイスのアクショニストDave Phillips デイブ・フィリップスによる二枚組フィールドレコーディングシリーズ最新作。
このシリーズはベトナム、タイ等様々なロケーションのものがリリースされているけど、今回は南アフリカにて2015年末から2016年頭に録音されたもの。ちなみに当の地は南半球なので季節が日本と逆で、そのくらいの時期の気温は30度~43度になる。特に生物絡みの録音をしようとしたらベストシーズンというわけ。
シリーズでは基本的に無加工の音源を収めたものになっていたけど、今回はイコライジングとパンのエフェクトのみ用いているとの表記がある。そのほか、特徴的なのが、合間合間に2-4の録音をレイヤードしたトラックが入っている。
以前にカセットでリリースしていたものにコウモリの発する音を無加工と加工で片面ずつ収めたものがあったから、それの感じがちょっと入っていると。
毎度のことながら録音がとても良い。大音量で、ヘッドホンを用いてのリスニングを推奨、とあるけど、なるほど包み込むような広い音場から耳もとでちらつく羽虫の音まで繊細に録音されている。
大まかに二つの方向性でのレコーディングがあって、ひとつは単一の対象に照準して録音したもの。動物や虫の声など。これは短いトラックが多くて、10秒に満たないものもある。もうひとつは環境に照準して録音したもの。あるロケーション、シチュエーションでの場のサウンドスケープを捉えている。こちらは圧巻20分越えのトラックもあって、じっくりと聴かせる。
急な天候の変化にフォーカスして、突如としてやってくる激しい雷雨の様子を捉えたトラックなんかもある。こういうのは以前の作品ではあまりなかったはず。
それぞれのトラックには長い長いタイトルがつけられ、状況が細かく記述してある。

このシリーズ聴いていてよく思うことなのだが、やはり自然はミニマルだ。
生態系は機械的なものではなくて、個々のものたちがランダムに、ばらばらに振舞っている、というイメージを持ちがちなのだが、実際にこうして音として聴いてみると、一定の規律に基づいた調和ある響き、周期性を持っている。
ジョジョで黄金の回転ってのを言っていて、黄金比を用いた黄金長方形を回転させると得られる渦が、ミクロからマクロまで、自然のあらゆるところに存在している、という話なんだけど、それをスゴク感じるのだよね。
アリが隊列を組んで進むようなメカニズムは自然中に普遍的なものなのかもしれないと。


sleppet.jpg

こちらは09年のノルウェーでのフィールドレコーディングツアーをもとに制作された同名のコンピのスピンオフ的作品。
コンピでは6名のサウンドアーティストによるトラックが収められていたけど、このCDはその中のMarc Behrens マーク・ベーレンスにフォーカスしてコンピの中の同氏によるトラックにアウトテイク3つを加えたもの。
アウトテイクといってもクオリティは高く、ほぼ自然な録音から加工によってなにか電子的な響きに変調したものまで幅のある内容。4曲とも10分前後の尺の中で場面が次々移り変わるように展開していく。クレジットに"Composed and produced by Marc Behrens"とあるのだけど、氏は環境音を素材に曲を構成するという意識が結構強いのではないかな。
"Sheep and Industry"なんてタイトルのトラックは突飛な組み合わせに笑ってしまうが、中身を聴くとゴツゴツとしたカッコいいコンクレートノイズになっていたりする。
気に入っているのは"Glacier"というトラックで、タイトルの通り氷河での音を用いて作られたもの。これが足下の水滴から遠景の地鳴りのような環境音まで、ミクロ-マクロの視点をギュッと凝縮して聴けるようにしたような作り。白一色の世界からのものとは思えないような色彩豊かな響きがしかしやっぱり全体では調和しているというところに、自然の音のおもしろさがある。


酷暑から酷寒まで、この気温差は続けて聴いていたら風邪をひきそうになるけど、どちらも秀逸なフィールドレコーディング作品かなと。
寝るとき聴いていると心細くも雄大な気持ちになる。


Marc Behrens、ライブの様子もなかなか面白いので続きに貼っておこう。

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