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ヴェノム、マンディ 地獄のロード・ウォリアー、ボヘミアン・ラプソディ、シャドー・オブ・ナイト、イップ・マン 継承、家に帰ると妻が死んだふりをしています。、REVENGE リベンジ、沈黙 サイレンス



なんかもらいました


『ヴェノム』
マーヴェル限らず、今年のアメコミ映画の中で一番好き。
いろいろ理由はあるけど、やっぱりシリーズ、ユニバース的なくびきから自由っていうのがひとつ。自分は全部追うタイプの熱心なファンではないので。やっぱ単体の作品としてどうかっていうのが大事。
ロケーションを活かしていること。サンフランシスコといえば大きな坂が走る美しい街並みで、これを存分に活かした本作は実に「映画らしい」ルックを作り出せている。これって近年のアメコミ大作の中では貴重なことと思える。
役者に必然性がある=役者の映画になっていること。『デッドプール2』ではレイノルズの実人生をきわどく反映した物語が独特な味わいになっていた。本作のトム・ハーディは狂気を演じさせるならこの人、的なところがあって、それだけに特にメインストリームで万能に使えるとは言い難い部分もある人。それがこのイキイキとした演技はどうだろう。水を得た魚、っていうか。極端な二面が一瞬で入れ替わること、正気と狂気のグラデーション、見事としか。それからこれは本作のテーマにも繋がるけど、「シンビオートの適正」なるものが何なのか考えると、それはあらかじめ内面にシンビオートを抱えていること、矛盾した二極に引き裂かれていること、と言えるんじゃないか。この辺は敵役のやろうとしてる事というのを考えるとはっきり分かるけど。そういう意味で、トムハの中にはシンビオートがいるし、なんなら実際に一人二役でそれを演じている。
物語のスケールが小さいこと。ロケーションの話を繰り返すようだけど、本作はひとつの街についての物語でもあると思ってて。それは一番最初のスパイダーマンがやってたところにまで戻ってる。街レベルの世界と、個人の内面。そういう物語が好きだ。
最後に、一番大切なこと。これはネタバレしないように詳細は書けないけど…、最後の戦いの直前、スペースシャトルの発射台を遠目に眺めながら、ヴェノムがある告白をする。何でもなく流しそうになる、さりげない一言。それがどうしようもなく泣けた。あ、そういうことか、だからこの映画って何か愛おしいんだ、って。『かいじゅうたちのいるところ』で「おれの味方はいつもおれだけ」ってセリフあって、それ見た瞬間あり得ない位滝の涙になったんですけど、それ思い出して。今回のセリフは全然違う内容なんだけど、まあその類の深いところで琴線に触れてくるセリフだったなと。


『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』


斧持ってきた

これは正にカルト映画として生まれた、ような、歪な作品。生まれた時からカルト化してるって表現的にはおかしいんだけど。
妻を焼き殺されたニコラス・ケイジがカルト集団&化け物と化したバイカー軍団に皆殺しの復讐。この感じでケイジだと近年なら『ヴェンジェンス』とかシリアスなムードを想像するけど、この映画はちょっと違う。上に貼った写真、これを自前で作って振り回すという…なんか、え?って感じだけど。このデザイン、メタルバンドのロゴに由来してるとかで、奥さんも終始いろんなメタルバンドのTシャツ着てたり。表現的にも急にアニメ化したりとか。
もうそのケイジ主演でそんなモンドな、アングラ~なノリってのが分かるような分からないような感じで。
ただ、一番スゴイのが、音楽がヨハン・ヨハンソン&スティーブン・オマリー。
重厚なドローンアンビエントとグラッグラに煮込んだドゥームドローン。
何かもう、何見せられてるんだろうって気分になる。
映像は超サイケデリックな色調でトリップ。
ブリーフ一丁で咆哮するケイジ。
ドローン。
ちょっとこう、ここまでのはなかなか見られないな、って感じの内容だったな。
ヨハン・ヨハンソンに捧ぐって最後に出るけど、こんなメタルノリの人にもリスペクトされてたんだ~っての思うとそこも面白かったり。


『ボヘミアン・ラプソディ』
今一番の話題作なのかな?
新宿TOHOのドルビーアトモスで鑑賞。
正直なところクイーンというバンドには全然興味がなかったんだけど、それでも本作はメチャクチャ楽しめた。
正攻法で直球でゴージャスなエンターテインメント。
『グレイテスト・ショーマン』とか『ラ・ラ・ランド』にも通ずるような、「映画、最高かよ…」ってなる一本。
それでバンドものとしてバッチリ来る感じがまたポイント高い。
曲作りの過程を描くシーンが沢山あるんだけど、こういうアイディアを提示して、このパートから始まって、この音が乗っかって…って。音の構造が理解できることが、ライヴシーンの音響的な楽しさを底上げする。
ストーリーラインも、天狗になっちゃって一度は大切なものを全部失ったフレディが「やっぱオレにはバンドがなきゃダメだわ」つって帰って来る、って話で。そこでバンドのみんながメッチャいい奴ってのも爽やかに効いてくるポイント。
最後のライヴシーンに向けて溜めて溜めて、解放!って構成は音楽映画の王道中の王道だけど、そこに至るまでの映像表現には工夫が凝らされてて。アメリカツアーの箇所なんかかなり驚きの見せ方をしてくる。
で、ラストシーン。歌われる楽曲の歌詞が、悉くそれまでに語られてきた物語を反映してる。だからこそ表面のスゴさだけじゃなく中まで沁みてくる…感情と同期した、ミュージカル的なエモさがあって。そういうクライマックスでの感動の種をさり気なく蒔いてきてた語り口のうまさにも唸らされる。
これはもうね、"ウィー・アー・ザ・チャンピオンズ"っていう言葉に集約されてる感。
つまり、この映画を観た俺たち全員が優勝したんですよ。


こっから旧作
ネトフリとアマゾンビデオで鑑賞

『シャドー・オブ・ナイト』
これは旧作じゃなく新作のネトフリ映画になるのかな。
『ザ・レイド』『ヘッドショット』でお馴染みのモー・ブラザーズが手掛けたアクション。
上の二作どちらの血も入ってるけど、どっちかというと『ヘッドショット』の方向性をより発展させたものに見えた。
やたらとアクの強い殺し屋たちが繰り広げる残虐無残格闘絵巻。
主人公は『レイド』のヒゲのSWAT隊長で、イコ・ウワイスも出てるしでこれまでの作品のファンならそれだけで必見の感じはある。
超絶格闘も、それに付随する過激な人体破壊もバキバキで見応えあり。
物語にはジョン・ウーや北野武へのリスペクトを感じさせるようなところがあって、破滅の美というか、アウトロー映画としての旨味もたっぷり。


『イップ・マン 継承』
これは、語彙が死んだ。凄くて。
ここでのドニー・イェンの拳は、喩えるなら詩の域に達してるなと思ってて。
交し合う拳だけで感情やドラマを語り得るまでのところに行ってる。
殴り合いが劇中の大半を占めるカンフー映画ではあるけど、美しいと思った。


『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』
家に帰ると妻が必ず死んだふりをしているという話。
『ママは日本に嫁に行っちゃダメと言うけれど。』という映画について以前書いたけど、この手の映画で良くなる条件のひとつって、映像にせよ音楽にせよ、語りすぎないこと、見せすぎないこと、余白を残しておくことかなって思っている。
宛て先を広くとるほど難しくなるそれを、こなせていること。
何かそれが出来ていて、かつ軽く流せるだけじゃない適度な重み苦みがあって、それで甘さが生きているみたいな作品、そういうのがたまにある。
だったらこういう映画をオレはたまには見ていきたいなと思った…という話。


『REVENGE リベンジ』
タイトル通りの王道レイプ・リベンジ。
ところがどうしてこれが完成度高い。
レフンっぽい超ビビッドな色彩感覚、手持ちカメラの長回しで演出する荒削りなサスペンス、血糊量もハンパないウルトラバイオレンス。いかにもミッドナイトマッドネスらしい、クリシェへの愛情とそれを更新しようとする前のめりなエネルギーがせめぎあう素敵な作品。
そんでなんと若い女性監督の作品と。
いや女性だからどうとか言うつもりは当然ないけど、ただこのジャンルってやっぱ男の監督ばっか作ってるのもおかしいっていうか、それこそ一種の暴力構造の温存じゃん、みたいなこと思わないでもないし、だから痛快とも感じた。
むせ返るような熱量とエネルギーを浴びてるだけでも楽しめる作品だけど、『RAW 少女のめざめ』あたりからの思春期ガールホラーの流れの中に位置づけても面白いんじゃないかと思った一作。


『沈黙 サイレンス』
マーティン・スコセッシ監督作。
自分の中で最近のだと『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の印象が強かったのでギャップに驚いた。
たださすがスコセッシ。完成度メチャ高い。
日本人が洋画とか海外の物語を受け取るときに、一番理解しづらいのが信仰にかかわる部分だと思っている。
その意味で、この映画を観ていると「信仰」にまつわる感情が流れ込んでくる、感情として理解できるってのが凄い所。
教科書的な記述じゃ分からないディティールを感情に訴える形で描き込むことで、その史実なり歴史上のイベントなりが、自分の中で立体感を持って立ち上がって来る。
やっぱこういう歴史映画って、それだよな、って思う。
踏み絵って、今を生きる我々からすると、本当によく分からないもののひとつなんだけど。何の葛藤があるの?踏めばいいじゃん、って。
そういうものがまさに感情のレベルで理解できる、しかも海外の話でもなくかつての日本人たちの話、っていう。こういう形での信仰ってかつてここにあったんだ、ってことに、なにか気が遠くなるような。
映画的な表現の部分で驚いたのが、音響。
ほぼ劇伴使ってないけど、代わりに環境音をかなりダイナミックに活用してる。オープニングからそうだけど、ザワザワザワと遠くからやって来ていつの間に周囲を取り囲んだり、密度の濃淡が次々変化していったり、波音や鈴虫の声のような特定の音が特定の意味を担って強調されてきたり。
構築型のフィールドレコーディング作品のような。
作品タイトルにある通りの沈黙、無音も存分に活用される。
これはヘッドホンで聴いてて何度も驚いたし、演出の手段としてこう来るかと唸らされた。

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カワイイだけがオレの信仰
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