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未満れんあい

というわけで未満れんあいの2巻が出ましたね。

未満れんあい 2 (アクションコミックス)未満れんあい 2 (アクションコミックス)
(2009/06/12)
高嶋 ひろみ

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この『未満れんあい』は、29歳のプログラマー黒瀬さんが中学一年生のともえちゃんに恋をしてしまうというお話です。で、これ読んだちょうど同じときに『ななつさ』というマンガも読んだんですけど。この『ななつさ』は17歳のアキラ君が10さいのさららちゃんと恋に落ちるお話で。

ななつさ 1 (電撃コミックス)ななつさ 1 (電撃コミックス)
(2009/02/27)
浅見 百合子

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あらすじ書くと両方ともアレな意味で同じ穴のムジナに思えるんですが、比べてみたときに『未満れんあい』を圧倒的にいいなと思えたんですね。『未満れんあい』を、いや正確には、アキラ君に対して、黒瀬さんを。

続き。
何が違うかっていうと、『ななつさ』においては恋のために頑張るのは女の子のほうなんですが、『未満れんあい』においては男のほう、ってことです。
『ななつさ』では、さららちゃんはアキラ君と結ばれるためにちっちゃい体で必死に頑張ります。アレな格好をしてみたり、アキラ君を狙うお姉ちゃん(アメリカンスタイル)に必死で対峙したり。あと無理して牛乳飲んだり。それに対してアキラ君がしてるのは、最後にさららちゃんの気持ちを受け入れる、くらいなことなんですよ。なんだかセカイ系批判でよく言われるような、選択の痛みや辛さはヒロインに背負わせて、選択だけする、という主人公像に近いものの気がして、これには正直何だろうと思った。まぁまとめれば子供に何させてんだよ(批評的な意味も含めて)!っていう。
逆に、『未満れんあい』では黒瀬さんがめちゃめちゃ頑張る、その姿がずっと描かれます。コミックスをぺらぺらめくってみると分かりますが、ともえちゃんの描写より黒瀬さんが悶々としたりテンパったりしてる描写のほうが確実に多いです。メールの返信の内容に一日悩んだり。自分のせいでともえちゃんを困らせたと思って警察署で涙こぼしたり。いまの普通の恋愛マンガだと女の子のほうがやってるようなことを、29の大の男がめちゃくちゃ必死でやっているわけです。これは萌えマンガ的な見方をすれば相当おかしな事態なんですが、恋愛マンガとしてはきわめて骨のあるやり方だと思うんですよね。

このふたつのマンガの比較に見るべきなのは、「おちもの」に対してどういう態度を取るべきか、言い替えると、「宿命」的なものの先をどう見るか、ということだと思うんです。
秋山瑞人さんの『イリヤの空、UFOの夏』以降、ボーイミーツガールって言葉がちょっと流行ったと思うんですけど、この言葉はそのまま空から女の子が落ちてくる=おちものを現していますよね。街角で出会うのとは全く違う、だから物語のはじまりになるようなそういう出会い。
俺が思うのは、物語のはじまりは劇的でもいい。つまり、女の子が空から落ちてきてもいい。ただ、その出来事を先につなげるのは主人公がするべき、ということです。空から落ちてきた女の子が勝手にこっちを好きになって全部肯定してくれて、その結果として世界も肯定できて彼女もゲット。これって何かもう主人公はいてもいなくても同じ気がして。
黒瀬さんはそことだいぶ距離を置いているわけですよ。黒瀬さんはテンパるし、何かするたびヘコむし、腹は下すしいい年こいて人前で泣く。でもいつもともえちゃんのために必死です。このマンガはその必死さを描くことにほとんどのページを費やしていると言ってもいい。

今回出た2巻の内容が面白くて、黒瀬さんがともえちゃんと会ったことで今までの自分を反省して見つめ直すようなエピソードがいくつか入ってるんですね。
はじめての
自分の作ったゲームがはじめて発売されたときのことを思い出す黒瀬さん。このあと"忘れてた…"というモノローグが入ります。
夢
ともえちゃんに、プロフ帳書いてください、と言われて"将来の夢"という項目でつまづく黒瀬さん。このあとともえちゃんの夢を聞いてあまりのまぶしさに失明しそうになります。
まぁこんな感じで黒瀬さんがいろんなことに気付いていくエピソードがいくつか入ってるんですが。このマンガのすごいのって…、ヒロインを魅力的に描くというよりは、ヒロインと向き合う主人公を描くことでヒロインを魅力的に見せている、ということかなと思いました。
神
まぶしすぎるともえちゃんを"神"と思ってしまう黒瀬さん。

読んでいてやっぱり思うのは、おちもの的な宿命にコミットしていくことをどうなの?っていうのは考えつつも、しかしそこで動き出したものをもっと動かそうとして必死に頑張ってる人がいたら、その頑張りは否定するべきじゃない、ってことですよ。黒瀬さんみたいなピュアな人の頑張りなら尚更ね。


しかし
ズルくてごめんね
遅れてごめんが言い出せなくて余裕ぶった態度をとってしまってからマジで反省する黒瀬さん。
これはヤバイですね…。なぜか泣きたくなりました。
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