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Trevor Dunn's Trio-Convulsant 『Debutantes & Centipedes』

Debutantes & CentipedesDebutantes & Centipedes
(1999/03/09)
Trevor Trio Convulsant Dunn

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ふだんはここでは00年代以前の音楽はとり上げないし、その必要もないと考えてるんですが、今回は99年に出たアルバムです。というのも、このアルバムを聴くに至った経緯というのがちょっとありまして…。
このTrio-Convulsantの2枚目のアルバムが04年にリリースされていて
Sister Phantom Owl FishSister Phantom Owl Fish
(2004/07/27)
Trevor Dunn

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まぁこれもほんに最高な内容なんですけど、実はこれ、僕がアヴァンギャルド聴き始めた最初期に聴いた一枚なんすよね。で、最近このトリオを人に紹介する機会があり、そのついでにちょっと調べてたら今回の99年のアルバムに行き当たったと。アマゾン屋さんの采配に運命感じちゃう程度には乙女な僕ですから、これはと思ってポチって…。
で、聴いてみりゃこれが涎の止まらん内容。そんなわけで、Trevor Dunn's Trio ConvulsantのDebutantes & Centipedes。


アーティスト名から分かるとおり、ベーシストのTrevor Dunnのリーダートリオ。で、このTrevor Dunnってのは誰かって言うと、変態アヴァンギャルドロックバンドMr.bungleの元ベース、John Zohnの一番手ベーシスト、boxへの参加、アヴァン/フリージャズ界隈でAndrew D'angeloとの絡みなど…まぁ引っ張りだこの変態ってことか。
2枚目の『Sister Phantom Owl Fish』の話も折に触れてしていくけど、まず面白いのが"Trio-Convulsant"と銘打っている割に3人のうち2人はメンバーが代わっているということ。Trevor Dunnによるトリオをa.k.a.Trio-Convulsantなのだと捉えても良さそう。曲も全て彼が書いているし。そこでいうと、メンバーが代わっているにも関わらずサウンドの特徴というかこれぞ!ってな個性の部分も一緒。超個性的な音だけに、プロデュース的な部分もDunnが兼ねているのだろうと思われる。
で、そのサウンドは…、"Sister Phantom Owl Fish"のアートワーク中面にデンと書かれている言葉があって、
"FUCK MONOCULTURE!"。ファック・モノカルチャー、単一文化くたばりな。
…まぁそんな音ですわな。


トリオと書いておいて編成の話をしていなかったけど、メンバーが代わっているといってもどちらもギタートリオ。2枚目のほうは分かり易い人選で、僕もパッと顔が浮かぶメンバー。ドラムにXiu Xiu~Bjorkのドラマー、Ches Smith(しっかしBjorkって謎の人選しますよねー同じドラムでも他にもLightning BoltのBrian Chippendaleとか。変態か)。ギターにはお馴染みアヴァン系女子Mary Halvorson。とんでもねえ組み合わせだけど、これと比べると今回とり上げる1枚目で演奏しているメンバーって僕も全然知らなくて…。ギターにAdam Levy、ドラムにKenny Wollesen。わずかに聴いたことはある気がするんだけど、思い出せず。調べてみるとファンク的な音源とか出てきたりして。

前置きが長いっすね。アルバム内容の話を。
トリオのサウンドを端的に表現するPerfumed With Crime、クリーンギターとウッドベースの流麗なユニゾン~手数多めのレガートは、おぉいい感じのギタートリオっすなぁって感じなんだけど…そこに突如斬り込むのが暴力的ディストーションギター。フレーズも金属がかって、全くの急展開。クリーントーンに戻っても全体にいなためのトーンで演奏されるソロは不穏な空気を纏っている。フリーなベースソロを挟んで、全体4分間の短い演奏。不穏なフリージャズ+突如突っ込まれるディストーションギターという組み合わせは2枚目でも同じなんだけど、これを最初聴いたときは大分たまげたな。今となっては、昔読んだ「ジャズに歪みは御法度!」とか書いてた教則本、くたばりやがれ!って感じっすけど…。
続く"An Attempt At Jealousy"は最初っから全開。転げ落ちるようなドラムフィルから、ドカバカジャキジャキシャンシャンプリプリとギター殺人事件状態へ突入しとります。フリー乱打と重量級の8ビートを交差させるドラム、1音1音打ち込んでいくこれまた重いベースも快調。このベースが表に出てくるのが演奏中盤で、激しく歪んだギターを背に弓弾きのソロをかますんだけど、これがまた。黒板引っ掻いた音をアンプで増幅したかのヒステリック&ノイジーな音で暴れまくる。Ingebright Haker Flatenもこの手の演奏を聴かせるけど、汚い弓弾きソロっていいもんですよね。この後楽曲は一瞬残響のドローンな実験空間に出入りし、テーマ部に戻っていく。振り切れたギターノイズのクライマックスまで、超濃厚な6分半。こりゃとんでもねえ。
ギターが(これ以上何するの?って感じもあるけど)本領発揮するのは"Ann-margret"。歪みとワウ系のフィルターで変形したベースやリズムを伸張させるドラムも印象的だけど、大変なことになってるのはギターソロ。ワウワウピロピロでほとんどメタルみたいなソロをやりだしたかと思うと、リズム体が4ビートで急加速。フリーに崩れ出すと、ここからのソロは最早壊れてるとしか言い様がない。地下ジャズまる出しの、マジキチギターノイズの奔流。ギターを弾いているというよりは音楽を壊している。もう何を言えばいいんだよ。しゅきぃ!ポニョ、ノイズ、しゅきぃ!そういう感じですよ。なんかもう蕩けてるもんいろいろ…。まぁそういう楽しくて気持ちいい手続きを経て、ほとんどガスが抜けるようにしてゆったりと終わっていくこの曲も凄まじい。
で、なんだか熱が入っちゃってますけど、9曲のうち3曲について書いたに過ぎませんし…。というわけでTrio-Convulsant流バラード"I Remenber Freakies Cereal"、べースソロとピキピキのノイズのフリーな絡みが熱い"Premonitions"、"Ann-margret"タイプのギターノイズ爆走展開が顔を覗かせる"Echidna"などなど、まだまだ盛り沢山。続きは聴いてのお楽しみ。

いやしかしこのアルバムは偶然にせよ聴けて良かった。その意味で、人に音楽を紹介するなんてとこにも新たな発見があるんだなーと。感謝感謝。twitterってすげーな(またですか)。

"Sister Phantom Owl Fish"についても少し内容に触れておくと、こちらは基本的なサウンドは受け継ぎつつも代わった2人のミュージシャンの特性がよく出ている。ドラムは全体にフリーな空間が増え、ギターはHalvorsonらしく、Adam Levyほどアグレッシヴではないにせよ、お得意の抽象的で手の込んだパートが多く登場する。ギターの歪みのトーンがよく聴くとタイプが違うような気がして、そのへんも面白い。


2枚目からの音源が何曲か聴けるmyspace
続きにライヴ動画など。


なんか4分あたりからのドラム、完全にブチ切れてる。Ches Smithすげえ。



こちらはHalvorsonらしいギターの聴ける内容。
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