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Cold Bleak Heat 『It's Magnificent,But It Isn't War』 『Simitu』

ネット介してやるセッションもそれはそれでいい部分あるなと思いました。ふふ。ふふノイズ。



coldbleakheat
C O L D B L E A K H E A T

いやなんか超カッコイイバンド名なので大きく書いてみたくなったんですね。というわけで。
It's Magnificent But It Isn't WarIt's Magnificent But It Isn't War
(2005/03/01)
Cold Bleak Heat

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SimituSimitu
(2007/04/10)
Cold Bleak Heat

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今回この2枚を一緒に紹介するのには(珍しく)わけがあって…。
一応『It's~』のほうは05年のリリースで『Simitu』のほうは07年リリースという風になっているんだけど、録音自体はどちらも03年の8月24日に行われたセッションのものなんですね。内容的にも統一感があり、2枚組と捉えたって違和感のない内容。
そんなわけで、今日はこのCold Bleak Heatをがっつり聴きましょうという意味での二枚紹介で。

バンドのことについて。
二管のアコースティックカルテットなんだけど、まずメンバーがスゲーんすな。
アルト&テナーに、Thurston Mooreとの共演なんかが印象深い仙人Paul Flaherty。トランペットに、吹奏そのものを再定義する当代最強ノイズトランペッターGreg Kelley。ドラム、アヴァンギャルドドラムと言えばの千手観音坊主Chris Corsano。で、ベースだけが僕も今回はじめて聴く人になるんだな。Matt Heyner。調べてみるとNo Neck Blues Bandで弾くほかパワーフリー系ベーシストとして多数のセッションに参加しているよう。
というわけで名うてのインプロヴァイザーが集結!して何やるか!って言ったらそら即興なんですな。
コールドでブレイクでヒートするインプロヴィゼーションなんですな。

彼らのサウンドは『It's~』冒頭"The Voice of the People is the Voice of God"にすでに凝縮されている。濁ったトーンを這いずり回らせながら絡む二管、蠢くリズム体が不吉な黒雲のように押し寄せ、際限なく、際限なく膨れ上がっていく。その高揚はシームレスに、いつの間にか空間を覆いつくす轟音。黒く濁ったサックスと叫びまくるトランペット、ボウイングで中域を強姦するベースに出ましたよの超絶ドラミング。何だこれはという。
彼らの音のまずの印象は、「密度が濃い」、これに尽きる。音楽で"密度が濃い"とかいうと抽象的なよう分からん褒め言葉に聴こえるけど、ここで言ってるのはそうではなくて、物理的に(?)、観測できる現象として、密度が濃いという意味。全域的に隙間を見せずに畳み掛ける音がギッチリと詰め込まれている。アコースティックでノイジーに聴こえるというのは相当なものではないかな。
アコースティック。もうひとつはこれ。彼らのサウンドは原理的なアコースティックサウンドの追求だ。Kelleyは他のバンドやソロではもっぱらディストーション&アンプリファイドしたトランペットを用いるけれど、ここでは生トランペットに専念している。ここから出てくる面白い印象が、(そのフリーキーな演奏にも関らず)全体として聴くと「まっとうなフリージャズ」というもの。
面子からすれば意外なことに、ここでの演奏から感じられる匂いは、純ジャズ的なそれ。圧縮され、燃焼され、加速されたそれ。かつてそうあったフリージャズの、今ここのためにアップデートされたもの…というか。木と鉄と皮を熱して生み出されるそれの迫力たるや。

演奏の内容がいい意味で絞られているのが面白い。ほぼ全曲において用意されているのは高揚と爆発。あえての力押しで、サウンドイメージは一貫している。だから、彼らはこれを試したかったのではないのかな、ということも少し思う。奇を衒わず、ストレートなフリージャズを表現形態として突き詰めて、どんなものが出来るか。これは勿論プレイヤーの尋常でない力量に拠って成り立つ、やはり力押しの表現だ。
一芸といえば一芸で、だからここまで書いてきたことで僕が思ったのは大体全部なんだけど、最後に演奏の中でも白眉の瞬間を。
『It's~』からはなんと言っても"You Only Live For Infinity"。この曲の中盤、ほぼリズム体だけで奏でられる轟低音の嵐に圧倒される。鼓膜を戦車でなぎ倒すようなCorsanoの叩きぶりを聴いていると「至福」という言葉すら浮かんでしまう。そして重なるメンバー全員の絶叫。アルバム中でもテンションが最高潮に達する瞬間。これは肉体の音楽なのだと実感させられる。
『Simitu』からはえぐり込むようにディープな21分間の"Mugged By A Glacier"がまず素晴らしいけれども、ここでは次ぐ15分の長さを持つ"A White Bandaged Head In The Shadow Of Death"について書いておきたい。これはセッションの中でも後半に録音されたものという感じがするんだけど、演奏が絶妙に組み立てられたような印象を与えてくる。それまでになくジックリと作るテンションに、高速で音を交換し呼応し合う楽器陣、ソロあり、絡みあり、全員入り乱れてのノイジーなパートありで、次々表情を変える演奏を見せてくれる。これはこのバンドの完成形のひとつではないかなという気がして、端から炸裂させるような曲との対比でもまた興味深い。


というわけでCold Bleak Heat。
実際は二枚のアルバムの印象がそれほど大きく変わらなかったのでひとつの記事にしちゃってんですけど、いやこういうことを良い意味で言えるってのがすごいなと。完成されちゃってるんですね。
これはシブくも激アツいという面白いバンドでした。
ストレートでアコースティックなフリージャズを最近全然聴いてなかった~という意味でも面白かった。

レーベルの紹介ページ - Discographyから飛べるアルバムページで、試聴あり。

ライヴ動画。Cold Bleak Heatでの演奏は見つからないものの、近い編成ではいくつか。


すげ。



ところ変わればこんだけ音も変わるということで。
ここでのアプローチは各人かなりノイズ寄り。
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