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Rhys Chatham 『Harmonie Du Soir』

あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!(何か特に気の利いた事言えなかった)



Harmonie Du SoirHarmonie Du Soir
(2013/12/05)
Rhys Chatham

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いやーいいですね。
新たな年を迎える富士のご来光。
これぞ日本人って感じですね。
違いますね。多分これは合衆国のどっかで…
まぁそれは良くて、また一年の始まりにぴったりの音源だなと。
まぁ出たのは去年の末で、書くのが遅れただけですけど。


というわけでうちで勝手に推しまくってて何度か取り上げさせてもらっている現代音楽家/ミニマリストRhys Chatham リース・チャタムの新作が出ました。いつものNorthern Spyから。
黄昏時のためのハーモニー Harmonie Du Soir アルモニ・ドゥ・ソワレ。
ブックレット中にボードレールの同タイトルの詩が引用してあるので、そこから来ている曲名と思われる。

今回のアルバムは3曲構成で、2012年にライヴ録音された2曲各20分とボーナス的に納められた10分のスタジオ新録が一曲という形。
面白いのがアルバムのコンセプトは特に定めていないのか、それぞれに全く違う方向性の曲になっていること。
それだけに、チャタムのコンポーザーとしての腕を堪能できる内容になっている。


"Harmonie Du Soir"
表題曲。
ブックレットにある自身の解説によると、この曲は自分の音楽ルーツを見直すなかで作られたとのこと。
チャタムといえば100~400本を擁する巨大ギターアンサンブルのコンポジションとライヴという印象があるけど、初期に注力していたのはロックバンド編成でのミニマルアンサンブルだった。その代表が件の"Guitar Trio"なわけだけれども、ここでの指定編成は6本のエレクトリックギターとベース、ドラムス。
収録の演奏はフランス、パリでのライヴ。

この楽曲、中身はチャタムらしいミニマルで、最小の展開で進行していく。
ほとんどコードが変化しない中、いくつかのアクセントがあり、リズムチェンジがあり、綿密に構成された各ギターの配置とフリーフォームで自由に呼応しあうパートの応酬。
輪を描くように配置されたギターがそれぞれに指定のタイミングで発音していくことで立体的な音響を生むというのもチャタムの十八番だけど、これも洗練された形で曲中に置かれている。
全体としてはリラックスした演奏ながらこの人の培ってきたギター・アンサンブルの構成の技術というのが油断なく張り巡らされていて、ある種の集大成的な楽曲として聴いてみてもおもしろい。


"Harmonie De Pontarlier : The Dream of Rhonabwy"
こちらは全く打って変わって大編成。
しかもいつものギターアンサンブルではなく、70名編成のブラスバンドのための楽曲となる。
ドキュメンタリ映画のサントラのために作曲された曲とのこと。

チャタムらしい固く刻まれるリズムと複雑な構成の持続音ハーモニー。
リズムが現れては消え現れては消えで進行していく曲で、リズムのなくなる部分では多数の管楽器によるアンサンブルはほぼドローンと化す。
曲中盤、入り組んだ手順でバトンをパスしていくように多段構成の持続音が鳴り続けるパートは圧巻。
メロディーがほとんど存在せず、持続音の構成の妙だけで聴かせていく形態は普通のクラシカルの方法論とは全く違うものではないかな(不勉強につき言いきれませんけど)。
クライマックスはスローモーションで無数の花が開いて春がやってくるようなチャタム流オード・トゥ・ジョイ、ここに至る流れは美しくはっとする。


"Drastic Classicism"
ラストに収められた10分のこの曲は多重録音されたギターとトランペット、ドラムスによる演奏。
この曲、もともとは82年の『Die Donnergotter(The Thunder Gods)』というアルバムに収められていたものの再録。
余談だけどこのアルバムのジャケは超カッコいい↓

Die DonnergotterDie Donnergotter
(2006/06/06)
Rhys Chatham

商品詳細を見る

これはさすがチャタム若かりし頃の楽曲というか、かなりノーウェイヴなミニマル・ノイズ・パンク。
ハイボルテージに疾走するパンキッシュなドラムの上でグッシャリと潰れたギターが強烈なノイズを撒き散らす。
恐らくソニック・ユース型の変則チューニングと思われるギターによるワンコードかき鳴らしが足並みもまばらに全力疾走。
フリーフォームなパートも挟みながら初期衝動剥き出しで演奏されるこの楽曲、アルバムの他の曲との距離も含め強い印象を残してくれる。
82年のほうの音源も持ってる身としてはこの楽曲が更にカッコ良くなり復活しているとことも嬉しくもあり。


というわけでそれぞれに異なる面をもった曲がまとめられているチャタム最新作の紹介でした。
一見まとまりがないようで、実はミニマル・ギターアンサンブルに管楽ドローン、ノー・ウェイヴとチャタムのコンポーザーとしての音楽性をうまくまとめたような内容とも言える一枚。
もちろんミニマル現音系の中でトップクラスにカッコいい音楽を作る人なのは間違いなく、今回も信頼の一枚でした。

で、このチャタム、つい先日カリフォルニアでまたとんでもないパフォーマンスをやっている。
それがこれ、"A Secret Rose for 100 electric guitars plus drum and bass"。


でかい音でどうぞ。
タイトルの通り100本のギターのための楽曲。
いやあ無茶苦茶かっこいいでしょうこれ。
で、凄いのがこれ、キックスターターによる一般からの投資で実現したプロジェクトらしいのね。
そういうの成立しちゃうあたり、あっちは凄いよななんて思ったりもする。クリムゾン・グレイルの野外の時も超満員だもんなぁ。
うーん一度は生で見てみたい、巨大ギターアンサンブル。


他のライヴ映像も続きに貼っておきますね







ギタートリオ!
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