Fervent 『Conjestion』

相変わらず音楽あまり聴いてないですけど笑
何してたかっていうとここ最近は怖い話を聴きにいく…所謂怪談ライヴが好きで、直近だと怪談芸人のダイノジ大谷さんのイベント見に行ったり、夏の間四谷で毎週催されてる怪談社さんのイベント行ったり等。あと稲川さんのライヴは勿論予約しました。
怪談って談って言うだけあって、本なんかで読むよりうまい人の語るものを聴くのが本来の形なのかな?などと思ったりして。
生の現場ならではっていうか先日見に行ったイベントでもえ…何だこれは…って事があったのでそういう醍醐味もまあありますし、あとはなんか去年位から音声作品にハマってるのもそうで自分は耳から入るものに一番感情とかを動かされるみたいなので。
桃色CODEさんの新作の芹さんのも怪談ボリュームたっぷりで音もメチャ最高で僕のために作られたような作品だったな…


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普段書いてる音楽ってやかましかったり虚無的だったりするのばっかですけど、なぜか夏になると夏らしい音源がスッと手に入ってくるんですね。
そんな感じで今年も夏のやつを…


conjestion-1.jpg
お求めart into lifeさんで

音質音量もバラバラなノイズが雑にザッピングされた18秒のイントロにはタイトルが付けられていない。
7曲入りだけどうち3曲がこうしたタイトルのない20秒前後のインタールード。5分、7分、10分の曲があり、最後に30分の大曲。
なんとも歪な構成だけど、こういう壊れ方がこのFerventというアーティストの特徴という気がする。
アルバムタイトルにしたって正しくは"congestion"だろうし…それにしても、鬱血、詰まる、みたいな意味なわけで、なにからなにまでグリッチしている。

今悪い意味で話題の国ことギリシャのmore mars teamというレーベルは前衛系の重鎮からこうした無名のアーティストまで幅広くリリースしているところなんだけど、このCDRアルバムは002と番号が振ってあるから初期のリリースということになるのかな。
出たのは07年で、このferventという人自体、このアルバムと翌年のデジタルEP位しかリリースしてないっぽい。Bored Witchというインディロックバンドにギターで参加してたみたいな情報もあるけど、このバンドも活動は09年までとか。まーこういう人はシレッと別名義でよそでやってそうな気もしますけど。

で、アルバムの中身の話に戻りまして。
"Music Box Reconstructed"という曲はタイトルの通りで、ミニマルなメロディを反復するオルゴールの演奏を、原型を残しつつ壊してある。バツバツという耳障りなノイズと荒い切り分け。まばらなダイナミクス。仄暗く、不気味でもあるけど、それ以上にノスタルジックな音像だ。何と言えばいいのか、結構キツめな加工を施してはいる、でも音響実験みたいな作風ではない、それよりは、音楽であろうとするような…抒情性でもって作られている気がする。
次ぐ"Ferver"というトラック、そう、"Fervent"という名前は熱烈な、強烈な、という意味で、この"Ferver"は熱狂、興奮、という意味なんだけど、この音楽は冷たくてどこか過去の時制にあって死んでしまって失われている、そんな感触。おそらくビブラフォンとハープシコードの、やはりミニマルでノスタルジックなフレーズの反復が基礎にあり、それがグリッチノイズとサンプリングで汚されて、次第に音割れしたドラム&ベースの破壊されたブレイクビーツに飲み込まれる。ローファイ化した65daysofstaticみたいな感じだけど、これは聴いていたらなんて悲しい音楽なんだろうと思ってしまった。蝶の標本みたいに、美しいものは壊さなきゃ永遠にできないって思ってるのかなこの人は。

やっぱりローファイで雑なグリッチ・カットアップのインタールードを挟み、"Scarecrows Against Reasoning"はよりノイジーなアプローチ。
砂嵐のようなホワイトノイズ、形のない低音、即興と思われるラフなノイズギター、空間処理。10分に渡って展開される曲で、展開はゆったりとして、でもどんどんノイズの靄が濃くなり、何も見えなくなっていく。壊れているけど美しい音楽だ。
これからいろんなものがデジタルで劣化なく保存されていくのかもしれないけど、やっぱりある時点までは過去ってノイズの中にあって、劣化していくものだった、という感覚…もしかしたらこれはもう失くなりつつあるものかもしれないけど。少なくとも自分の中ではやっぱり思い出ってノイズに包まれていてひび割れたり音飛びしたりしているもので、まあそれは昔の家族旅行を8mmビデオで見たり、パリパリとアルバムを開いて写真を眺めたりしていた、ギリギリそういう世代ってのも関係あるだろうけど…。なんかこういうときにアナログが反動的に流行るっていうのは、そういう、中身とは関係ないフォーマットの思い返すほど喪われていくという性質、一回性、永遠なんてないということだけが美を担保する…ってことの一面なのかなって気がする。
とにかく、あの『パリ、テキサス』って映画の、何もかも失った主人公トラヴィスが家族といて幸せだった頃に録ったボロボロのファミリービデオのテープを一人で見て泣いている(確かそんな感じだったはず)、あのシーンを思い出す。

フィールドレコーディングとサンプリングのインタールードを挟み、最終曲"Organ Piece For Anna [comm]"。
インサートとして入った自身による簡単な解説を見ると、ショートフィルムのサウンドトラックのために作られたらしい。
この曲はとにかくすばらしいし、ここまで書いて自分がこのアルバム思ってたよりメチャ好きだったみたいだな…みたいなのを気付いてしまって、もうあんまり書くべきじゃないなと思い始めてるけど、タイトルの通り簡単なオルガンのイントロがブツリと途切れて前述のショートフィルムのものと思しきサンプリングが入ってくる、"(スペイン語?でうんにゃかかんにゃか…)…アンナ"。なんでか分からないがこれを聴いていて心がノスタル死してしまい何も言えなくなってしまった。


上のart in to lifeさんのリンクで一曲聴けるのと、

こちらバンドキャンプで公開していた20分の1曲入りEP。
こっちはもっと音が綺麗でギターアンビやポストロック的な部分もあり、まあ自分は正直アルバムのほうが好きなのですが、この人の表現しようとしている部分はしっかり伝わる(てかこの人は不器用でそれ以外はそこまで出来ないタイプだろな多分…失礼)のでぜひぜひ。
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