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Chippendale - Gustafsson - Pupillo 『MELT』

『残穢 -住んではいけない部屋-』という映画を観ました。
この部屋なんか変だ…で不動産屋に聞いたらマンション自体古くないですし過去に何の瑕疵もないです、じゃマンション建つ前は?バブルと高度成長期で土地再編されてますね…ってとこから始まって、どんどんその土地のことを掘り下げていく話なんですけど。
普通のホラーと全く違うそういう地史学的な視点からっていう語り口もいい。ただ映画で面白いなと思ったのが、主人公が怪談作家なんで「怪談の文法で解釈すると」「怪談的にありがちなのは」とか言っていて、怪談についての怪談、メタ怪談的なとこなんですよね。
でこの主人公が映画のストーリーと並行して読者から集めた実話怪談集を執筆していくんですけど、これが原作『残穢』の前作にあたる『鬼談百景』で。で、この本が(ややこしいけど)著者の小野さんが投稿されてきた怪談をもとにして書いていった99話の怖い話という。『残穢』が百物語の最後という仕掛け。
怪談って、いうても定番のシチュや展開みたいなものがあって、だから自分みたいに大量に読んでいると、イメージのバトンパスみたいなことが起こるんですけど。あれ、こういう話、前に…って。で、以前読んだやつ掘り返してみると結末は全然違う話だったりするんですけど。
で、それは本から本で解決するからいいんだけど、もしかしたらこれが現実の自分の生活とか記憶のほうにバトンが回ってくるってのもあり得るじゃないか?ってのは当然ながらあって。この前も一冊読んでいたら、普通に子どもの頃毎年言ってたような場所がポロッと出てきてぞっとしたんですけど。
そういう現実の方にいかにバトンを回すか?ってことを、確信犯的にやっていて、これはモキュメンタリなんかとまた違う方法でリアリティに挑んでいて面白いなと。ふだん怪談とか好きで大量に読んでいる人ほど怖いんじゃないかな。


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Melt

てなわけで2016年始まって早々からオーストリアの脳筋系フリージャズ、インプロレーベルTrostよりクソヤバ物件が届きました。
説明の要らない名前だけどブチギレハードコアノイズジャンクロックライトニングボルトよりBrian Chippendal ブライアン・チッペンデール、オン・ドラムス・エレクトロニクス・アンド・ヴォーカルズ。
昨年のメルツバウ、サーストン・ムーアらとの二枚組もヤバかったMats Gustafsson マッツ・グスタフソン、フロム・ザ・シング。オン・リーズ・アンド・エレクトロニクス。
ノーウェイヴスカンディナヴィアントラディショナルZuより、毎度意味不明なノイズベースで共演者を唖然とさせる"ノイズベーシスト"、Massimo Pupillo マッシモ・プッピーロ、オン・ベース。

面子見た瞬間にクソヤバいということが分かる、壊れたアルバムですねはい。

"Faces of Fear.Transformed.Melted."、"Flesh.Transformed.Melted"の2トラックで各32分46分計78分という潔い構成。
でこの三人でやる事なんてもう最初から決まっているのであり、それはヴォリュームをグンと回させ狂わせること、僕の愛してやまない四字熟語、
即ち、爆音即興。それのみ。

数分の焦らすようなノイズの細かな波があって、そこに絡みだすあれ。ハイピッチで抜けが良くロックのスタイルにしては凄まじい速度で刻まれるスネア、もうそのまんまライトニングボルトを持ち込んだチッペンデールのドラムス。一瞬のアイコンタクトが交わされたのか?グチャグチャに変調されノイズウォール状態の意味不明なベースが押し寄せると、ドラムも同時に踏み込んで状況開始。
アートワークの中面には、ジャケでベタッと塗られているような緑の虹がもう一面に塗りたくられているのだけど、そんな失楽園的サイケデリアの色彩を匂わすノイズの波をグスタフソンの"いつもの"絶吼サックスが切り裂けばもう音楽は達している。そこに達している。
噛み合ってしまったことのスゴさというか、全員が互いに目配せ併走することなく、内から出るままに演奏していて、それが一本の渦に成ってしまっている、全然違うところからやって来て、互いに同じだったのだろう、だからこの音楽はあの映画のような、ありのままで歓喜のうちに殴り合う、セッションだ。

チッペンデールの例のエコーした謎ヴォーカルは何度も挿入されるし、プッピーロも時にギターソロ的なサウンドで弾きまくってみせるしで、時折ライトニングボルト的なサウンドが生まれる…ってか、この人達根っこの部分はやっぱそこに近いんだろうな。
グスタフソンも、シングで"Ride The Sky"カバーした時めちゃくちゃ楽しそうに吹きまくってたもんな。
そういう原始的な喜びが滾りまくる、やっぱ単純にノイズロックって気がするぞこれは。

メルト、融けてしまいそう。好きだなんて絶対にいえない。メルト、目もあわせられない。恋に恋なんてしないわ。メルト、メルト、メルト。
ひとつの風景、終わらない夢を見続けるように、コズミックなノイズロックの過剰な熱とごみと深いマーブル模様の星空の果てに、望郷の痛みの中で、お腹いっぱい虹を頬ばった翌朝吐くゲロみたいに、融けようね。ただ僕たちは融けあおうね。


続きにライヴ映像貼っときます。












ジャケ大体コレだな
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