Yellow Swans 『Being There』

being there

いつまで公開されてる音源なのか謎なので急いで書いてますけど。
先日、ピート・スワンソンがちょっと感傷的なツイートと共に音源をアップしていまして。


スワンソンの音源扱った過去記事でYellow Swansについても簡単に書いてるので、このユニットについてはそこで。

この音源はどういうものかというと、Yellow Swansの活動の終盤に録音されたもので、どうもラストアルバム『Going Places』から外れたもの?リリースが予定されていたもの?ともかく件のラストアルバムの限定生産のLPヴァージョンにボーナスとしてCDで付属していたのが今まで唯一世に出た形だったらしい。

でこの『Going Places』というアルバム。
それまでの彼らの音楽性は、ギター&エレクトロニクスのプロセッシングのノイズドローンをベースにしつつ、そのノイズの海に様々な要素を溶かし沈めるように反映させていて…例えば一際カラフルな内容の『Bring The Neon War Home』では、祝祭的なトランスのビートや弾き倒しスタイルのフリークアウトしたノイズギターが導入されていたり等。
で、そういうところをいくつも経て辿り着いた『Going Places』にて描かれているのは意外にも、すべてが無に帰してしまったあとのような朧な輪郭のノイズの壁なんだよね。
さっきも書いた通り、これは海と表現するのがやっぱり一番しっくりくるな。ノイズの海。彼らのアルバムにしては凹凸のない内容…でもそのあまりにも荘厳で美しい景色を見たくて、何度も足を運んでしまう…ビューティフル・ノイズなんて表現があるけど、そういう風に感じることって自分はあまりなくて。ただ美しいノイズというものがあるならここで鳴っている音をまさにそう喩えるべきだろうな。

で『Being There』。
15分から18分の長尺の曲が4つ収められたこの音源(アルバム?)について書くにあたって『Going Places』の話をしたのは、タイトルからも想像つく通りこれがその迷子だった双子の片割れみたいに思えたからなんだよね。
『Going Places』をコンセプチュアルな内容にするためにこっちには全然違うタイプの曲が収められてるって予想もしていたんだけど、実際には、ここにも海広がってたなっていう。
とりわけ素晴らしい18分超えの"Foil"。鼓動のような重いビートを忍ばせつつも軸になっているのは幽玄のギタードローン・ヴェール+靄のようなアンビエンスで、曲が進むにつれ彼方からゆっくりと大波がやって来る。
こうした輪郭のない音のヴェールがミルフィーユのように重なってノイズの壁を作り出す展開は、全体に通底して流れている。やっぱりこれがYellow Swansのオリジナリティというか、未だに唯一無二であり続けている方法論なんだなと、これを聴いていると実感する。その核がそのまま示されているのがこの時期の彼らの音なんじゃないかと。それは『Going Places』にて表現されたものとそっくりだなとも、感じるんだよな。
こんなに優れたものが今までごく限定的にしか世に出てなかったことに驚くけど、同時に彼らの活動が進んでいくにつれこうした何も衒わない演奏がアルバムからオミットされていったことも分かる所ではある。

『Going Places』のほうも改めてじっくりと聴きながら……これ最初に聴いた時は「なんでこんだけ最高のもの作りながら解散なんてすんだよ」とも思ったけどさ、何だろ、今聴いたら、表現の終わりってこういうものなのかなって。これで全部作った、こういうものを作ったら一旦終わりにするしかない…そういうものなのかなって思ったんだよな。ここに至っちゃったらって。
だから…最後にこのことを書いておこうかな。昨年末、boomkatでその年のベストアルバムを様々なアーティストが発表する企画に参加していたスワンソンは、Yellow Swansの片割れ・かつての相棒GMSことガブリエル・サロマンのLPを挙げていた。


そんな話。








yellow-swans.jpg
ハート飛んでて若干ホモホモしい雰囲気も含めメッチャ好きな一枚(不意に見ると普通に泣きそうになる)
スポンサーサイト
 

Comment

 
 






(編集・削除用)


管理者にだけ表示を許可

 

Trackback

 
 
http://teardropmissingpiece.blog115.fc2.com/tb.php/486-966e3e80
 

プロフィール

 

伊達さん

Author:伊達さん
恐怖と雑音と
カワイイだけがオレの信仰
about

拍手する

 

最新記事

 
 

カテゴリ

 
 

月別アーカイブ

 
 

検索フォーム

 

 

twitter

 

 

リンク

 
 

FC2カウンター

 

 

RSSリンクの表示

 
 

最新コメント

 
 

最新トラックバック