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New Monuments 『Long Pig』

最近観た中で、ジャームッシュのオンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴという映画は超良かったです。
吸血鬼が悪い医者から血液を買ったりしながらデトロイトの町はずれの屋敷で暮らしているという話なんだけど、こいつの収入源が音楽なんですね。
何世紀にも渡って様々な音楽家と交流しながら音楽を作り続けていて、あらゆる弦楽器を演奏できる。でも表舞台には立ちたくないので、昔であればシューベルトの弦楽五重奏のアダージョは自分が書いたんだけど彼に頼んで発表して貰ったとか、今だったらいろんな名義を使ってLPを出していたりとか。
それでこいつが大変な機材厨で、ビザールギターをコレクションしている。そういうギターや他の弦楽器、1セットのドラムス、オープンリールのレコーダーや巨大なミキシングボードといったアナログ録音機材、アンプ、エフェクターの積み上がった部屋に埋もれるようにして生きている。
今作っているのはソニックユースのインストみたいな音楽で、この演奏シーンもガス・ヴァン・サントのラストデイズを彷彿とさせるもので非常にかっこいい。
音楽だけでなく歴史上の様々な人物の話が小さなエピソードとして出てくるんだけど、例えばニコラ・テスラを認めなかった連中はバカだと言って、こいつの家の裏庭にはおそらくこのテスラ由来の無線送電装置があってそこから電気を供給しているとか。
まあ物語的な展開はいろいろあるんだけど、こういうオタクの生き様みたいなものをジャームッシュが愛情たっぷりに描いているということで、共感できる人にはどっぷり浸かりたくなる至福の映画体験かなと。あと何気にラストカットが好きですね、これはこの手の作家にありがちな余韻系でなくてパチッと締めてくれます。
おすすめ。


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お求めart into lifeさんでどうぞ。


ポーランドのBocianというノイズ/即興系のレーベルから昨年出ていた一枚。
ここは今までそんなに名前を意識してなかったけど、ディスコグ見るとOren Ambarchi、D'incise、Mats Gustafsson、Rusell Haswell...と何やらオールスター感のあるリリース布陣。うちにも何枚かあった。ギタリストMarco FusinatoのLPとかLasse Marhaug関係など。
で、この音源。New Monuments ニュー・モニュメンツ、なかなか面白い人たちの組み合わせのバンド。


このバンドを見つけた経緯は、まずブルックリンの前衛音楽フェスEnde Tymesの映像をチェックしていた時に、これに行き当たったこと。
この二人が組んでいることが唐突に思えて驚いた。
Don Dietrich ドン・ディートリッヒはジャズの人にはあまり馴染みのないサックスプレイヤーかもしれないけど、ノイズ者からすれば現人神的存在で、ブルックリンの最強ノイズバンドBorbetomagus ボルビトマグースの2本のサックスの片割れ。
ちなみにうちでも過去取り上げてる通りサックスのもう片割れのJim Sauter ジム・ソウターもドラムとのデュオで自身の即興プロジェクトを持っており、そちらの音源も超強力につきおすすめ。というかこの二人はスタイルを同じくする双子のような演奏家なので、比べて聴いてみるのも面白い。
C Spencer Yeh…本名Chih-Fu Spencer Yeh 未だにどう読むのかよく分からんので僕は普段はCスペンサーと言っている…はやはりブルックリンで活動する実験音楽家。過去に結構な回数取り上げているのでそちらを参照して貰うとこの人のことはふんわり分かるのかなと。で、この人最近はヴォイスパフォーマンスとその音声を加工して音を作ることに凝っていて、最新のソロLPもその音源を集めたものだったし、上の映像でハードなノイズエレクトロニクスを用いて真っ当にノイジシャンしてることが意外に思えたんだよね。
で、この二人が自分の中では全く繋がってなかったんで、映像見てオッと思ったと同時に、あまりにも素晴らしい演奏なんで音源ないもんか…?と。で辿り着いたのがこの2人に実験ドラマー/パーカッショニストBen Hall ベン・ホールを加えたNew Monumentsというわけ。
てかここでついでに書いてしまうけど、このベン・ホールという人についても自分はあまり知らなかった。
調べたらFree Music Archiveに演奏の音源をあげているものが出てきたけど、情報は少ない。


6曲1時間のアルバムの中で展開されている演奏は清々しいほど明快だ。
ノイズエフェクターを介してアンプへと接続されたサクソフォンとヴァイオリンの逸脱した音色が猛然と音場を埋め尽くす。絶え間なく打撃音をばら撒き続けるドラムスの上で、駆け引きなんてありゃしない、三者の即興演奏によって引き起こされているとは到底信じ難いノイズ禍…つまりそうこれは爆裂即またか…そうだよまただよ!こちとらスラムとスラム渡り歩いて底辺(した)這いずり回って生きてんだよ!あたしはね、半端な音じゃアレに響かないんだよ!懲りずに爆裂爆音即興だよ!

螺旋を描く様なエレクトロニクスを皮切りにどの楽器も渦を巻いている、随所随所で原型を全く留めぬまでに変調された楽器が激しくノイズをぶち撒ける、ランダムだが直線的なビートに乗って土砂災害のように猛然と荒れ狂う…こういうの何かあったなァと思ってたがこりゃあれだよ、マスヒステリズム!New Monumentsによるマスヒステリズムがこの『Long Pig』だ。
曼荼羅的音律の交差の上に毒々しくのた打つサイケデリアは悪いキノコでも食って見る幻覚の如し。四門出遊といって、釈尊が出家しようとすると、門出てすぐの所にポン引きと売人がいたり放射性廃棄物が棄ててあったりしてブチ切れそうになるのだが、自宅の天体望遠鏡を改造して逆バンジー形式に自身を射出したところ、小一時間待たずしてパナマに辿り着いたという話がある。
何を言いたいかというと信じることを諦めなきゃ夢は叶うってことである。
あと、とにかくこのアルバム、『Long Pig』は最高だ。最高に混乱していて最高に大人気なく最高にふざけていて騒がしく酩酊し叫びをあげてブチキレている。ハナから書くことなんて何もありゃしないのだ。音量バコッと上げてボッコボコにぶん殴られてアヘアヘ言いながら笑い死にそう。頭悪くも終始に渡って出来る限りの速度で出来る限りの突飛な音色で出来る限りの大きな音で死にさらすまで楽器を搔き毟り弾き倒し吹きまくる音楽こそ最高だ。
出来る限りの速度で出来る限りの突飛な音色で出来る限りの大きな音で死にさらすまで楽器を搔き毟り弾き倒し吹きまくる音楽こそ最高だ。



一応試聴あるんだけどCDで聴いたほうが数段迫力増しで聴こえるんだよなあなんか。




てか最初にライヴ映像見たら結構きちっとした即興演奏をしているからそういうのを想像してCD聴いたら全然別方向の爆音即興スタイルだったので驚いた
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