Horse Lords 『Horse Lords』 『Hidden Cities』 『Interventions』

一月の半ば過ぎから、もうひとつブログを書いています。
テキストファイルアップロードサイト
テキストファイルをアップロードするブログです。
特に毎日更新とか決めているわけではないけど、ネタをストックしておくと勝手に毎日更新してくれる仕組みを試しています。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

まずは映像を見てくれ

画面中央で踊る、痛Tを着たオタクの圧倒的な存在感に注目して欲しい。
酩酊したような動きを基本にしつつ、腕や首の振りを交えてグルーヴし続けている。
彼はもちろんメンバーでもなんでもない。
ただ、それによって映像が熱を帯びたものになっていることが重要だ。
というわけでボルチモアの白熱する永久機関、Horse Lords ホース・ローズ。


Andrew Bernstein - saxophone,percussion
Max Eilbacher - bass,electronics
Owen Gardner - guitar
Sam Haberman - drums

horse lords
写真は2016年作、interventions。
これ以前の作品は物理で手に入れるのは難しいものの、バンドキャンプですべて入手できる。


紙のテープか何かを使って、メビウスの輪というのを作ったことがあるという人は多いはずだ。
自分の場合はウルトラマンか何かで出てきたのを見て、幼い頃一時期大量生産していた記憶がある。
子供部屋に物理/数理的なカオスが生まれていた。
終わりも始まりもない無限の象徴であるメビウスの輪が教えてくれるのは、全てが1となりうるのであり、永遠のミニマルなミニチュアとして現れうるのであり…つまるところすべてはグルーヴしうるということだ。
ホース・ローズが作り出すのはそれだ。
あらゆるものは反復する。反復するとは踊れるということだ。
奇数系のリズムの複雑な組み合わせであれ、すべてのパートが周期的に脱臼され続けるポリリズムであれ、拍を奇妙に伸縮させたようなフレーズであれ…始点と終点を掴んでしまえば、あとはそこにハサミを入れて、一度ひねって貼り合わせるだけ。
それをリアルタイムのアンサンブルでやり続ける。


Zsなんかのような人力ミニマル系のバンドのひとつとも言えるのかな。
それ系のバンドの例に漏れずこのバンドもエクスペリメンタルな要素が入っているのだけど、しかし同時にとても享楽的な音楽だということは重要に思える。
ダンスミュージック的…もっと言うのであれば、シャアビ的な、アラビックなフレーズを軸にした躍動感ある反復運動。
そしてバンドサウンド、ロック的なアンサンブルのむさ苦しい様な熱量がそこかしこに感じられること。
頭で聴いても楽しい難解さを読み取ることもできるけど、同時にサイケデリックで覚醒するようなグルーヴに身を委ねて踊りまくるのだって正しく思える音だ。


一応3つの音源を買ってみたので簡単に聴いていくと…

12年作セルフタイルトル『Horse Lords』は20分、15分の二部構成で、どちらの曲もライヴの熱を伝えるようなノンストップのミニマルグルーヴが楽曲の中でしなやかに変態していく。あるパートが同じフレーズを継続し続けているところに、別のパートがパズルのようにそれまでとまるで違うフレーズを当てはめてくる。そうやって交互にカンフル剤を打ちながら踊り続けるような基本的な構図がここでもう確立されている。
B面"Wildcat Strike"のブレイクでサックスのソロフレーズを契機に一気にボリウッド的享楽空間に叩き込む展開には、通勤中聴いていたら電車の中でいきなり踊り出しそうになった。

14年作『Hidden Cities』は5曲入りでもっとアルバムらしい体の音源。
13分のオープナー"Outer East"がとにかく強烈だ。南国のリラックスしたムードで緩やかにギターとサックスが絡み合いながら反復のグルーヴを組み上げていく。ベースが全面に出て意図的に拍の長さを歪ませるようなフレーズを奏で始めるとギターまでドロドロに溶け始める。今一度背骨を叩くようにドラムスがソリッドなビートを入れれば、そこからは入れ替わり立ち代わりに様々な反復パターンがシームレスに遷移しながら現れる。クライマックスにて各楽器が拍を分け合いながらバトンパスで作る精密なフレーズ。一瞬のブレイク、一気に爆発するパンキッシュなグルーヴ、カッコ良すぎである。
これを皮切りに、短いインタールードにてノイズエレクトロニクス中心、ラーガ的演奏等また異なった方法でミニマル演奏を展開しつつ、10分ある"Macaw"で再び濃密な実験ミニマルダンスロックを展開。2曲が中心になった明快なつくりのアルバム。

16年作『Interventions』は9曲入りで、基本的なところは変わっていないのだけど、もっと音響的な遊びが前にせり出したような作風。
フィールドレコーディングをループして軽くビートを作ったところにギターのループフレーズが契機となってホース・ローズ宇宙を展開し始める"Encounters I + Transfinite Flow"、電子音だけのトラック"Intervention I"、電子音/シンセ的な響きを伴う独特なサックスソロ"Encounter II + Intervention II"と、ミクロとマクロの遠近法が狂うような、ミニマル表現の様々なあり方を、バンドアンサンブルという枠に囚われず表現している。
ライヴ終わりのような歓声や手拍子を切り貼りして作られたラストトラックの"Never Ended"というタイトルは彼らの音楽そのものみたいな言葉だな。
"Toward the Omega point"、"Time Slip"、"Bending to the Lash"といった十八番のミニマルダンスロックは相変わらず中毒性が高くとても楽しい。


円周率は、3!
と宣言するようなバンドと音楽だ。
難しく聴くこともできるけど、同時に踊りまくるダンスミュージックでもある。
3.141592653....であることと、3であるということは矛盾しない。
どこに住んでてもどの神を信じててもいい。男でも女でもどっちでもなくてもいい。ロックが好きでも電子音楽が好きでもどうでもいい、興味ないよ。細くても太くても黒くても黄色くてもデミちゃんでもメイドラゴンでもいい、踊ったら同じだ。動物の芯に訴えかけるような汗と温度のリズムで、ミニマルとはそういうことだ多分。あらゆる差異を巻き込んで無化するかのような圧倒的な…グルーヴっていう言葉の意味もまた、そういうことかもしれない。




続きにかっこいいライヴ映像貼っておきます。







スポンサーサイト
 

Comment

 
 






(編集・削除用)


管理者にだけ表示を許可

 

Trackback

 
 
http://teardropmissingpiece.blog115.fc2.com/tb.php/522-942e1d5d
 

プロフィール

 

伊達さん

Author:伊達さん
恐怖と雑音と
カワイイだけがオレの信仰
about

拍手する

 

最新記事

 
 

カテゴリ

 
 

月別アーカイブ

 
 

検索フォーム

 

 

twitter

 

 

リンク

 
 

FC2カウンター

 

 

RSSリンクの表示

 
 

最新コメント

 
 

最新トラックバック