Francisco Meirino & Miguel A. Garcia 『Nonmenabsorbium』 Don & Camille Dietrich 『Dietrichs』

『スプリット』観たんですけど、非常に独特なトリッキーでありつつキレのある見せ方+マカヴォイの役者魂と超絶演技が生む迫力のある怪作でしたね~ところどころ一人称視点カメラも有効に使われている点などは前作ヴィジットからのフィードバックを感じたりも。
ヴィジットといえばあれは全編がそんな感じでしたけど今回も…覗き穴や扉の隙間、あるいは音だけなど、ヤバイものがちょっとだけ見えるような演出の仕方ってとてもイイなと思いました。

あと『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』観たんですけども。
劇場暗くなって予告が始まったとこで、隣の席にいつの間にかおっさんが座ってることに気づいたんですね。
それで、平日だし結構席空いてるけどなあ、まあど真ん中だしなあ…みたいに思いながら映画観ていたんですけど。
で、映画終わって、席立とうとしたら、そのおっさん、めっちゃ泣いているんですね。
おお…おお…とか言いながら泣いてるんですね。
おっさんが通路側の席に座ってたから僕は困ってしまったんですけど、実のところ上映中僕も結構泣いてしまって(何というかタイトルバックであの歌がかかる時点でもう駄目だった)、気持ちが分かってしまったせいかな。
なぜかそこで、声かけてしまったんですね。映画良かったですね、って。そしたら、良かった…良かった…っておっさん。
あいつら…家族って…なのに、おれ、こんな…っておっさん。
大丈夫っす、ヨンドゥ言ってたじゃないっすか、オマエはオレだって、ロケット言ってたじゃないっすか、クソガーディアンズオブギャラクシーにようこそって…って僕。
そしたらおっさんは僕の方を見て、そのときに分かったんですね。
いつも見てるそれより20年程も老けてくしゃくしゃだったけど、その顔は毎朝鏡で見る…
おっさんは僕だったんですね。


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nonmenabsorbium.jpg
art into life屋さんでどちらも購入できます


Francisco Meirino & Miguel A. Garcia 『Nonmenabsorbium』

当ブログではもう死ぬほど紹介してますがお馴染みFrancisco Meirino フランシスコ・メイリノのコラボシリーズ最新作。
レーベルのidiosyncraticsは他にもJean-Philippe Grossとかダークな電子系のものをリリースしているようで、この音源もそのカラー。
お相手のMiguel A. Garcia ミゲル・A・ガルシア、バンドキャンプがあったんで聴いてみたら、メイリノとコラボするのがよく分かるというか、わりと徹頭徹尾虚無的な機械作動音のモノクロ音響。

メイリノの一個前のコラボ作、エリック・アベカッシスとのものは若干辛い評価を書きましたけど、そもそも考えてみればメイリノはソロのほうが大抵いいしなぁ…みたいに思っていて…。
で、半信半疑ながらも今回のもの聴いてみたら、ウン、悪くないぞ、これ…。この、虚無感、好き。と孤独のグルメ風に独りごちてしまう満足感の高い内容だったな。
前回のコラボ作で問題に感じた、らしくなさ、いつもの音が出てないなっていう感じ…それが今回なくて、ああこれはメイリノだ、と思える音ばかりが鳴っている。
荒い感触の物理/現象音、接触不良気味なノイズ、作動音、バチバチと耳障りな切り換え。
音全体の設計、無機質な持続/ミニマル駆動音を重ねていくイビツなハーモニーの感覚。
空間的に音響を捉えてどこにどの音を配置するか?みたいな部分でも作り込みが見えて、そこもこの人のセンスの部分というところで。
二人ともわりと同じ方向を向いて音を作っているのが功を奏しているのですかね。
2年間に渡るコラボの結果の音源と書いてあるから、そういう長いスパンで作られたというのも関係しているのだろうけど。
やっぱコレだねという感じの、これはメイリノの音が好きな人なら聴いときましょうと言えるコラボ作になっている感じ。



Don & Camille Dietrich 『Dietrichs』
ラッセ・マーハウグのPica Diskから最新リリース。
Don Dietrich ドン・ディートリッヒと言えば2サックス+ギター編成の最強ノイズバンドボルビトマグースのサックスの片割れ。
もう片割れのジム・ソウターはオネイダのドラムのキッド・ミリオンズとデュオでやっているけど、こちらのドンの相方はなんと自分の娘。
このCamille カミーユちゃん、19歳とのことですが。
オイオイお嬢ちゃん大丈夫かァ~~?ノイズ、分かるの~?
とか噛ませ犬の悪漢風に言っていると脳天ブチ割られて死にさらします。
とんでもねえアルバム。

アルバムは全8曲のセッションからなり、"The Decapitator Suite"断頭鉤組曲というタイトルの通り、各パートのサブタイにプレリュード、メヌエット、カント、アレグロ…と含まれている。
因みに断頭鉤って普通は聞き覚えのない単語かと思いますけど、中絶の時に胎児の頭蓋骨を割る器具のことをこう呼んだりします。

ドン氏のトレードマークといえば過激エフェクトを通じてアンプに繋いだ極悪ノイズサックスだけど、今回はそれを封印して純粋なアコースティックのテナーだけで臨んでいる。そんなとこも、今回はおとなしめな作品?と思わせるのだが…。
再生を始めると即、この世のものとは思えないひび割れ捻じ曲がりまくったサックスが切り込んでくる。追随するチェロも神経症的ノイズをばら撒くパンキッシュな演奏。イ・オッキョンとかそっち方向の切れ味鋭いノイズチェロ。
こう言っては失礼だけど、ドンさん、こんなにサックス吹けたんだな…、という実に表情豊かな演奏…しかもそれは過激で狂った形での豊かさだ。普通の音は鳴っていないし、耳障り極まりない爆発音のような演奏だけど、そのテンションを保ったままいくらでも多彩な様相を見せてくる。
対する娘の演奏も大したもので、特に感心するのはそのレスポンスの良さ。これはやはり親子だからというのもあるのかな?相当なスピードで演奏は展開するが、テンションの上下やスピード感、音の切れ方繋ぎ方、絶妙に噛み合ったやり取りを見せる様はすでに即興演奏者としての貫禄みたいなものも感じさせる。
むしろ親父を煽るような部分すらあって末恐ろしいところだ。

クライマックスの16分間の煮えたぎるセッション"Wenis Supreme"に至って解体的交感のような雰囲気すら纏わす二人の演奏を聴いていると、ちょっとこれは親子で演奏しましたみたいなフックも全然要らん単にメチャクチャカッコいいノイズ即興のアルバムですよという感じ。
これは継続してやって欲しいし、アンプ使った演奏の音源も欲しいなあ。
カミーユちゃん、将来有望すぎるのでこれからもドンドンヤバい音楽やってって欲しいですね。


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