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好きな映画館について

ここ最近、というか今年は、休みの日大体映画館にいる。
あと休みの日の前の夜とかもわりと映画館にいる。
仕事がタイトになったからかな。
普通の遊びって、
・土日祝日に
・ある程度前から計画して
・まとまった時間をとって
・特定の場所に行く
ことで成立するものが多いのだが、その点から言うと映画ってカタギじゃない人間に非常に優しい娯楽で。
・曜日時間関係なくいつでも
・ポッと空いた時間にいきなり思い立って入っても
・それなりの公開規模のものなら、特に都内ではどこでも
OK。という…あと、一人でもめっちゃ楽しめる。これが重要。

それで、自分の場合、映画館という場所も好きというのがあり、ある映画が同じような距離の行ったことある映画館と行ったことない映画館でやっていたとすると、わりと後者に行ってしまうというのがある。
そうするとやはり印象深い映画館みたいなのも出てきて。
なんか今年は年末の記事でも音楽より映画について書く方が分量多いかもな…って思ってて、それもあり映画館についても書いてみようと。

続きで…。



・シアターN渋谷について
オレが映画とは別に映画館を好きになったのって間違いなくここが元凶で。
Tシャツ姿のスタッフからチケットを買うと自由席である旨告げられ、ロビーで一定の間隔をもって立ち尽くす昏い目をした男たちの間に混じって開映を待つ…。
ホラー/過激系/インディーに強い独特のラインナップ、ここでしか見られない"妙な"映画がいつもある。傑作『スペイン一家監禁事件』なんかここがなければ出会わなかった映画だ。
映画館というよりライヴハウスに近い様な独特の雰囲気がある。色々と度を越した表現で上映不可能と言われていた『セルビアン・フィルム』の上映の時の、もうもうとした熱気でこもる異様な空気は特に忘れられない。
珍妙なサービスや企画を打ってくる。ツイッターで突如、「今日は台風なので映画料金600円」と告知し始める、酔っ払いの映画なのでスタッフが近所でビールを買ってきて配り始める等。
上映が終わって劇場から出ると、イベントとかでもなく、普通に監督が出口脇に立っていて、客から映画の感想を聴いている。
それで言えば面白かったのはイラン出身の監督アミール・ナデリが日本で撮った『CUT』のときで、雪が降る寒い日だったが、劇場に来ていた監督は受付でチケットを何枚も買い求めると、映画の立て看を抱いて外に飛び出して「私の映画を観て下さい」と道行く人にチケットを売り始めたのだった。
この映画館は2012年の冬に惜しまれながら閉館したが、その遺伝子は例えばヒューマントラストシネマ渋谷や新宿武蔵野館、シネマカリテ新宿といった個性的な映画館に受け継がれていったように思う。


・新宿武蔵野館とシネマカリテ新宿について
最近リニューアルした新宿武蔵野館は、突拍子もない企画と挑戦的なラインナップで唯一無二の魅力を持つ映画館だ。
行き過ぎた残虐表現のために上映禁止となった国も多い『ムカデ人間2』を"R18+"という普段見ることの無いレーティングまで設けて公開に尽力したのがここ。
シアターNが閉じた後はそうした過激映画の聖地のようになったわけだけど、『グリーン・インフェルノ』の公開時には映画館内にお化け屋敷を作るなど企画もかなり頭のネジが抜けている。
同じ新宿でよく利用する映画館といえばシネマカリテ。ここも「ここでしか見られない」映画を、特にインディーズホラーにおいて大量に供給し続ける稀有な映画館だ。カリコレと題してそうした映画を数十本も引っ張ってきて上映する企画などは圧巻だ。
あと映画の話ではないけど上映開始の時に学校のチャイムの音が鳴るのを聴くといつも「またカリテに映画観に来たなぁ」と思うのだった。


・ヒューマントラストシネマ渋谷とシアターイメージフォーラムについて
ヒューマントラストシネマ渋谷。
渋谷らしいオシャレなビルの一番上に入っているものの、上映のラインナップはマニアックそのもの。カリテと同じくインディー系のホラー中心の企画上映もある。いくつかスクリーンが入ってるが、その中でも大きいスクリーンは音響がかなりエッジーで、低音が効き過ぎてビリビリと劇場が震えるような音になっている時もある。小さいスクリーンの何か遊園地のアトラクションに乗ってるような妙なライド感もイイ。
このヒューマントラストから坂を登って10分少し歩くとあるのがイメージフォーラム。
ここはまた厄介な特徴を抱えた映画館だと思っている。何か?
不思議と眠くなる映画館なのだ。やっている映画がつまらないとかそういうことでなく…何となく空調とか雰囲気とか、寒い日の大学の講堂みたいな感じなんだよね。アート系の作品が多いというのもあるし。あとこれは映画館のせいでは全くないけど、ヒューマントラストとの間に、食いしん坊約束の地こともうやんカレー渋谷店がある。この二館をハシゴしようとして、もうやんのランチバイキングという誘惑に負けたら最後…ですよ。
まあそんなでもやはり"ここでしか見られない"尖った映画は多い。『アクト・オブ・キリング』、『ヴィクトリア』などなど。そんなで自分もいろいろ学習したんで、ここを利用するときには舐めて溶かせる高刺激のミントタブレットを持っていくことにしてますねはい。


・ユーロスペースとアップリンクについて
渋谷でもう二館足を伸ばしてみる。
ユーロスペースはライヴハウスのO-nestのすぐそばにある映画館で、映画美学校というカルチャースクールの併設になっているだけあり、わりと意識高めのラインナップ。ロビーもめっちゃ綺麗で静かなのでなぜか緊張してしまう。
ここから近いアップリンクはもやはり意識の高い映画がラインナップに多いのだが、ふいにかなりエグいドキュメンタリーやマニアックなホラーの上映をしてくるのでたまに足を運ぶ。イベントスペースでもあってなぜかノイズのライヴもここで何度か見ている。
しかしここ、昔『レイキャビク・ホエール・ウォッチング・マサカー』を観た時の記憶が強く残っているな。確か二階で、そのスクリーンはきしむ板張りの床にそれぞれてんで違うバラバラの椅子が無造作に鎮座しており、スピーカーはなんとVOXのアンプだった。
何だここは!?と思って、でも最近入ってないな…と思い改めて劇場情報を調べると、スクリーンは一階と地下一階のふたつになっている。もうなくなっちゃったのかな。


・その他、新宿の映画館について
恐らく日本の映画館の中でも最大級と思われるTOHOの新宿とピカデリー、自分は後者のほうが利用が多い。
やっぱTOHOって言ってしまえばどこにでもあるんで、そこでカバーしきれないラインナップがピカデリーにいくと埋められたりとか。
あとあの劇場に行くまでのエスカレーターが良いよな。紀伊国屋の通りを見下ろすと人がゴミのよう。
バルト9はビルの一番上に入っているけど、チケットは一階の端末で買えるという親切設計。ただここでいつも困るのが、上映前の時間なんか所在がなくなることだ。ロビーは柱などのない開けた空間だけど椅子とかも少なく、自分含めいつも所在なさげにしてる人が数人いる。
一個下の階のメシ屋のラインナップが自分に合わないハイソな感じなのも時間を潰すのに困る一因かもしれない。
きれいすぎてなんか苦手な映画館である。まあラインナップがいいから行くけど。
ほか新宿だとテアトルやシネマート、角川シネマは古き良きって感じの劇場で、傾斜が少なく見上げる感じとかスクリーンにかかる幕とかノスタルジックな気持ちになる。新宿といえば14年の冬に閉館してしまったミラノも思い出深いな。ここで最後にやった企画がハードコア格闘アクション『ザ・レイド』の1・2連続で上映するってやつで、その時は映画終わったあと劇場で拍手が起きたり、独特の空気があって…あとそんとき抽選のプレゼントキャンペーンでTシャツ当たって、未だにそれ持ってる。


・ヒューマントラストシネマ有楽町と有楽町の映画館たちについて
有楽町はビジネス街だけど、同時に映画の街でもある。シャンテ・スカラ座・みゆき座といったTOHO系列のシアターは、TOHOにしては小振りな土地に工夫してスクリーンを押し込んだような、どこも独特の空間になっている。特に傾斜の強いシャンテはおもしろくてよく利用してしまう。『ウォールフラワー』とか良かったなあ。
スバル座は有楽町らしい奇妙な映画館で、普通にオフィスビルの中に入っている。平日に行った時にトイレに入ると普通に働いている人たちがいて申し訳ない気持ちに。地下にビジネス街らしいインスタ映えしそうな店の集まった飲食店街があり、そこでご飯を食べながら居場所のなさを味わう。
上で渋谷のヒューマントラストについて書いたけど、有楽町にもヒューマントラストがある。
古式ゆかしい黒ロングのメイド服が眩しい椿屋珈琲の上に入ったこの映画館は、また独特な劇場だ。
何がというと、平日でも混んでいる。毎月1日の映画の日は平日の朝で満席になる。自分も油断して最前で観るハメになったことが何度かあった。
これはなぜかというと、高齢者のお客さんが多い劇場なのだ。落ち着いたラインナップがそうさせるのか、他に地理的な理由でもあるのか、行くと他の劇場に比べてあり得ないほど年齢層が高い。渋谷と比べると、同じヒューマントラストなのに全く別の映画館だ。


・池袋のシネマサンシャイン、シネリーブル、シネマ・ロサについて
池袋の大通りにあるシネマサンシャインは6つものスクリーンを抱えているが、その入り口がいくつかに分かれている。ここもまた"他では見られない"系のホラーなどをやる劇場なのだが、そういうとき使われるのは人通りのないビル横に回って地下深くに降りたスクリーンだ。『マニアック』とか、なんか隔離された感じでいつも観に行っている記憶がある。
ルミネのてっぺんのオシャレ空間にあるシネリーブルは、わりとオタク系に強い劇場でもあり、『あの花』の劇場版の時はビルの階段スペースを無駄に大きく使った展示でオタクの足腰をいじめてくれた。上まで登るのがなかなか手間でハシゴの中に組み込む際にはスケジュール調整の腕がモノを言う劇場でもある。
シネマ・ロサはこの中で一番池袋らしい劇場だと思っている。68年から変わらずこの地にあるロサ会館は、なんというか花街、大人の遊び場の真ん中である。年季の入ったピンク色のビルの中にあるこの劇場に入るのは、何度行ってもなかなか勇気がいる。
ビルの外観通り、劇場もかなりクラシックなナリで、スクリーンには蛇腹のカーテンがかかっていたりする。
客層も独特だし、その雰囲気含めて空気を呼吸して楽しむ、まぁこれぞ映画館という感じもするそんな施設。


・109シネマズ木場について
都心の主要駅から離れて、木場の109シネマズ。
大手シネコンの109シネマズだし、そんなに文化的に豊かな土地でもないし(失礼)、いわゆるイトーヨーカドーの中に入った映画館だしで、なぜここ?と思われるかもしれないけど、この映画館は映画好きにとっては特別だ。
なにしろ、多分都内で最も初期にIMAXシアターを導入したのがここ。
確かあの『アバター』のIMAX3D版もここで観た。あの映画館前方の銀色の壁、それの全面がスクリーンなのだと分かった時の衝撃。その感動が忘れられなくて、自分がIMAX3Dの映画を観るときまずスケジュールを確認するのがここなのだよね。
自分にとっては特別な映画館のひとつ。


・キネカ大森について
品川のほうにあるキネカ大森は日本初のシネコンらしい。
西友の五階にあって、怪しげなエレベーターに乗って行く映画館なのだが、やはりマニアックなチョイスで、ホラーの他ちょっと実験色の強い邦画なんかも結構かかっている。
ここで昨年印象深かったことがあって、『ディストラクション・ベイビーズ』を観たときのこと。
やはり平日の朝イチの回だったのだが、チケットを買い劇場に入ると誰もいない。
あれっ、と思っていると上映が始まる。
なんと、貸し切り。自分の人生で二度の貸し切り経験のうちの一回がこれだ。猛烈にテンションが上がるし、ど真ん中の席で映画と向き合っていると何か宗教的な気持ちにすらなってくる。
ただひたすら映画館の音響設備で向井秀徳のノイズギターを堪能し、不敵な瞳の柳楽優弥と睨み合う至福の時間だった。
映画が好きで良かった、映画の神からの贈り物かもしれないと思うひとときだ。


・ららぽーとと千葉の映画館について
映画を観に行くときは都内に出ることが多いけど、一方、TOHOでかかるようなものなら住んでる千葉で済ますこともある。
千葉の映画館はショッピングモールに入ってることが多くて、中でもららぽーとはほぼ映画館が併設している。
TOHOシネマズ流山おおたかの森は一番利用するTOHOで、家から一番近い、かつ話題作はほぼここで事足りる。ただIMAXとかはないのでそういった場合には都内に出ることになるのだが。しかしTOHOシネマズってポップコーンやその他諸々の混じった例の映画館の"におい"というやつをかなり強く感じるのだが、狙ってやってるのだろうか。あとチケットが受付から券売機で買う形式になった時は、映画館ってもしかしたら無人化の方向に進んでいくのかな?と思ったり。
MOVIX柏の葉はららぽーと柏の葉に併設している。無闇に電車料金の高いつくばエクスプレスでおおたかの森と直結しているので、ハシゴ可能。ここは朝イチかレイトで行くと、オープン前/クローズ後のショッピングモールの中を歩き回る稀有な体験が出来るので良い。以前に早朝の秋葉原電気街を歩いた時も思ったけど、普段人だらけの場所が無人ってのは良いですね。
あと何気にここはフードコートがバリエ豊かで居心地もよく優秀。以前までは普通に飲食店に入って映画の合間の食事を済ますことが多かったのだが、ここ数年はフードコートの自由に振る舞っていい感じが好きだ。
あともう一個、MOVIXの上映前にかかるホフディランの♪夜空に星が流れて一面の銀幕になれば♪って曲のやつ、あれいいよなあ。探したけど音源出てなくて映画館でしか聴けないらしいし。たまに映画とのコラボバージョンになるけど、なんかアニメコラボでやればめっちゃ人はいると思うんですが…たまこラとか…。
ららぽーとでもう一個、南船橋の競馬場横のららぽーとTOKYO BAY、何かららぽーと一号店らしいここに入ったTOHOは特別だ。
ドルビーが天井まで大量のスピーカーで埋め尽くし音響技術を結集したドルビーアトモスがある希少な映画館なのだ。
エクストララージスクリーンという大きさ的にはIMAX相当のスクリーンでもあったりするし、より音で映画を観たいときはこっちを選ぶ。
『ゼロ・グラビティ』や『ラ・ラ・ランド』はやはりここで観た。


・もうふたつ、千葉の映画館について
昨年の夏、イオンスペースシネマ野田に『アイアムアヒーロー』を観に行った。なぜ野田くんだりまで行くかというと、映画が封切りから3ヶ月近く経っており、ほとんどの映画館では終了していたからだ。ところが地方のイオンシネマではかかっている。都心にもこういう所にも等しくアクセスできる、我ながら絶妙なところに住んでいるな。
野田の、歴史ある平屋~二階建ての背の低い住宅街とただ広がる荒野の光景の中に、今にも倒壊しそうな観覧車が見えてくる。あまりにも現実感を欠いた光景だ。古いタイプの、"遊園地"を併設したイオンであるイオンNOAの荒廃ぶりは、ある種の趣きすら湛えている。裏手には危険立ち入り禁止と札のついた林が鬱蒼と茂り、建物はそこかしこが養生テープで補修され、錆びていないところのほうが少ない。その中に入ったイオンシネマは…何と言えばいいのかな。地方出身の人にしか伝わらないと思うんだけど、大きい公民館で映画やるときの感じって分かります?まぁあれ。
映画がなまじ良い出来だっただけに、帰り道、街灯すら満足になく深い闇に沈んだ住宅街の隙間を抜けて駅まで戻る道はひたすら不気味だった。
…とそんなわけで、長々と書いてしまってすみません(思い出す順に書いただけだからまだ沢山あるけど)、これで最後。
シネマサンシャイン松戸は自分にとっての特別な映画館のひとつだ。
13年の年始に閉館して現在は病院になっているこの映画館は、松戸市最後の映画館だった。
これをきっかけにしたのか分からないが周囲の書店なども後追いで潰れていって、そこには薬局や居酒屋が入っていった。
たぶんいま同じ方向に向かっている地方都市というのはそこら中にあるのでは?
奇妙に片寄った配置の客席とスクリーン、ヒビいった木枠のスピーカー、暗くなりきらない足元の非常灯、引っ越してきて最初の映画『ウォッチメン』をここで観たときのことを今でも思い出せる。
映画を観るってことは、作品の内容の記憶であると同時に、その時その場の空気の記憶でもあって、それが結びついたときに"忘れ難い映画"と共に、ときには別に、"忘れ難い鑑賞体験"みたいなものも生まれるんじゃないのと思う。
ネトフリとか、バリバリ利用するけど、やっぱ映画館で映画を観るって特別な体験なんだよね。映画館の壁や床っていろんなものが沁み込んでいるし、スクリーンにも堆積しているものってあると思うし。
いま映画が好きってことと映画館に行くってことは必ずしも結びつかなくなっているんだけど、だったら映画館という空間が好きという風にそこに行く理由付けをすることもまた可能なんじゃないかと思っていて、そんなわけで今日はいろいろ書いてみた。
どうだろう。たまには行ったことのない映画館に行ってみるのも面白いんじゃないですかね。



てかいろいろ思い出す中で辿り着いた映画館の原初の記憶、祖父母の家の近くのいなげやの二階に入ってた子ども用映画館で観たドラゴンボールや何かで、その時のことわりとはっきり思い出して非常にノスタルジックな気持ちになりました
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