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レディ・プレイヤー・ワン、さよならの朝に約束の花をかざろう、マザー!、灼熱の魂、ハッピーエンド、15時17分パリ行き、アフターマス

観た映画から何本かピックアップして。
今日観た二本と、あとはこの前の記事よりも更に以前に遡って。多分2月~3月で観たやつ。


レディ・プレイヤー・ワン
これ一番の話題作ですかね。
あんま関係ない話なのですが、現状IMAXシアターってまだ数が少ないし、入ってる映画館でもほとんどは1スクリーンだけだったりする。
その現状に対してIMAXに最適化された映画の供給が上回ってきちゃってるなと思ってて。
つまり何が言いたいかというと、同じ週にこの映画とパシフィック・リム:アップライジングが公開すると。
IMAXのスクリーンを2本が奪い合う形になる。この中で自分も結構鑑賞のスケジューリングがタイトになったとこがあって。
これってなかなか悩ましい状況ではありますよね。
で、レディ・プレイヤー・ワン。
まあこれについては多くを語る必要はないかな。
シンプルに、体験する映画かなと。正直、これを家で観るのは、観てないのと同じ。
映画館でしか機能しない映画という、実に今らしい一本でした。
現状の映画館、映像エンターテインメントがどこまでのものになってるか?ってのを体感するために、一刻も早く近くのIMAX3Dシアターに足を運んでください。
俺はガンダムで行く。


さよならの朝に約束の花をかざろう
正直近年の岡田麿里氏の仕事に興味が薄れかけていたのもありチェックしてなかったのだが、ツイッターのタイムライン上で信頼のおける向きから絶賛が連続で届いたため終了間際に滑り込み鑑賞。
観てなかったのは、いわゆるファンタジーアニメで、そっから苦手ってのもあったのだけど。でも描いてあることはとても普遍的で。
つまり、親、スゴいね、っていう。
でも親って(当然だけど)最初から親なわけじゃなくて、段々親になっていく。人間の子どもはネオテニー、幼形成熟と言われるけど、親もそういう部分があって、子どもが出来てから、子どもと関わることを通して親になっていく。このあたりはリンクレイターの『6才のボクが、大人になるまで。』とか思い出すのですけどね。で、それを語るための設定がいくつかあって、ファンタジーとしての必然性が分かり易い。
ファンタジーということで言うと、原作ものとかスピンオフとかじゃなくて、独立した単独のオリジナル作品でこういう世界観をイチから作り上げた上で、物語の中で無理なく語り切ってるってのも素晴らしいしさ。
でもこの映画について自分が強調したいのは一点で。
映画って一度だけ大きな嘘をついていい、魔法を使っていい、なんて言われるけど、これの意味って、一度だけリアリティレベルないし物語のトーンから大きく飛躍していいってことだと捉えていて。
そのとっておきの魔法をかける瞬間をこの映画は間違えていない。というか、そのためにでき得る全ての準備を済ませて、一番重要なものをそれに託してる。
物語終盤にその瞬間はやって来るのだけど、リメンバー・ミーでも似た場面があったからか、こっちの非の打ちどころの無さが際立ってたように感じてしまった。よくない言い方かも分からんけど。
それまであくまでも背景の、物語の世界観のために設置されたガジェットのように見えていたそれ、それについて作中で時々さり気なく語られていた物語、それらがその一点で綺麗に線を結んで絵を描く映画的なカタルシス、高揚感が半端ない。
単純に場面として究極に絵になること、それが物語の流れをある種反転させ、それに足る説得力を持っていること、サプライズでありながら作品のテーマと深く結びついていること。
こんなにも完璧な映画の魔法がかかる瞬間はそうそうお目にかかれないように思う。アニメって結構やろうと思ったら幾らでも魔法使えちゃうようなとこがあるって点からも、それを一点に引き絞ってるの、分かってるなって感じ。
花は咲きいつか散り落ちて腐り土となりまた隣に咲きゆく花が少し似た香りだったらなんて素敵な事だろうか?って歌を思い出す。


マザー!
ブラックスワンやレクイエム・フォー・ドリーム(僕はこれが一番好きですけど)で知られるメンヘラ監督ダーレン・アロノフスキーの最新作は、劇場公開中止の憂き目に遭った問題作。
自然に囲まれた静かな田舎に夫婦が二人で住んでいる。夫はスランプ中の作家で、奥さんはちょっと潔癖気味。何かの薬をずっと飲んでいる。あるとき全然知らない夫婦が訪ねてきて、泊めてくれと言ってくるのだが、渋る奥さんを尻目に夫は気前よく迎え入れる。この夫婦が何やら横柄な人たちで、そのへんのものをベタベタ触りまくる。奥さんイライラ。更には「息子たちが今からこっちに来ると言ってる」とか言い始める…。
そんな感じでどんどん知らない人がやって来て、あれよのうちに…って話なのだが、ここまで聞くと地味そうな話じゃないですか。
でもとんでもないです、これは。超展開に次ぐ超展開、超展開のインフレ。ホラーもミステリーもコメディもSFも大河も全て一件の家の中にブチ込み、挙句その家はミキサーになっていて容赦なくそのスイッチ入れちゃうような映画。
聖書ベースの物語の映画ってままあるけど、これはその一形態でありつつ、やってることはあらゆる良識や正しさを破壊することなので、その先の景色見たい人だけが観れば良いかと。おすすめはしないけど最高の映画。
これを観て頭おかしいという言葉の意味を知って下さい。
しかし何気に先日惜しくも亡くなったヨハン・ヨハンソンが音楽…というか全体のサウンドデザインを行っていたり、ガス・ヴァン・サントのエレファント風の主人公のすぐ後ろをずっと追従していくスタイルのカメラ等、映画として見て相当に高度な内容になっているところがまたタチが悪い。


灼熱の魂
中東の風景にレディオヘッドを重ねる掴みから強烈センス炸裂の本作は、メッセージやボーダーラインでお馴染みドゥニ・ヴィルヌーヴのブレイク前の作品。
とはいえこれまた凄まじい。
主人公の双子の兄妹が亡くなったお母さんの遺言を受け取ると、封筒が三つに分かれていて。ひとつはこの兄妹に宛てられたものなんだけど、残りのふたつは、この二人の兄と父に宛てられている。で、困ったのが、二人とも兄と父に会ったことがない。生まれた時にはもういなくて、死んだのかと思ってたのが、実は生きてるよ、と。で、この兄と父を探しに行く。
てな話。なんかまた書きだすと地味っぽいんだけど。これまたとんでもない。兄と父を探す過程で二人は全然知らなかった母親の人生の物語を追体験していくことになるのだが、これが壮絶で苛烈、そしてあまりにも数奇なもの。もう何も書けず歯がゆいのだが、非っ常に驚くべき結末が待っている。で、それが所謂どんでん返しの為のどんでん返しみたいなもんでなく、その真実が分かることで混沌とした映画にスッと一本の芯が通る感じなんだな。その瞬間の、安堵とも感動とも畏敬とも絶望ともつかないような、言葉にならない感慨。
ほんとスゲー話なんだけど、映像や音はヴィルヌーヴということでメチャクチャカッコ良く、引き込まれるように観られてしまうんで、是非。


ハッピーエンド
当然僕も大好きなハネケの最新作ということで。ハネケの映画にハッピーエンドってタイトルがついている、それだけで胸が躍りますよね。
ハネケらしい、状況をただカメラの前にポンと置いてくるような撮り方、あれが自然に携帯カメラや防犯カメラなんかの映像を取り込んでいて、劇伴が全然無いというのも含め寒々しい映像になってはいるんだけど、同時に多分にブラックコメディ的な語り口でもある。
それと面白いのが過去のハネケ作からの引用があちこちに見られること。
べニーズ・ビデオで始まり、アムールと繋がっているようにもとれるストーリーで、最後はタイム・オブ・ウルフと似たモチーフで終わっていく。行間の大きく空いた映像の連なりは、合間合間に過去作の映像が脳内挿入されて補完されていく。
それらをハッピーエンドへと引きずっていくような話ともとれるのだがしかし、そのハッピーエンドは…という。
無音のエンドロールも素晴らしい。


15時17分、パリ行き
イーストウッドの映画観るといつも、悔しい!ってなっちゃうんですね。
政治的なあれこれとか、人格的にちょっとこういう人はなぁ…って思うんだけど、映画はメッチャ面白いんだもん。
てなわけで、今回も素晴らしい。てか、イーストウッドの中で一番好き。
何しろこれはジョジョ5部じゃないですか。イタリアが舞台だから言うわけじゃないんだけど。
人は皆運命の眠れる奴隷。覚悟とは暗闇の荒野に進むべき道を切り開く事。
まさにあれで。
過去の失敗とか挫折とかまで含めて、それまでの人生がある一点、それもここにおいて全てが決するというような一点に、爆縮する。そういう宿命の話。
それをヘタに盛り上げたり過剰に演出することもなく描いていても、映像に格調が出てくるのがこの人の映画なんだよね。
事件当事者である主役三人の演技も素晴らしい。またこの言葉を使うのだけど、これも何か映画の魔法のようなものが働いたとしか思えない一品だなと。
デトロイトと並んで今年ベスト候補の一本。


アフターマス
シュワちゃん主演。
実際に起きた飛行機事故の顛末を描くノンフィクション。
空中で旅客機が衝突するという事故で、そのとき空港で誘導していた管制官と、事故で家族を失った遺族の男の話。
いちいち描写が重く胃に来る。
例えば衝突の場面とか、爆発炎上の描写なんか全く無く、それまであった信号とレーダーの表示がパッと消えて、あれっ…嘘…嘘だろ…?みたいな。
取り返しのつかない事って、やっぱり時間を経てじんわりと腹に染みてくるようなものじゃないですか。もうそれがずっと描かれていて。
見てる間中息苦しくて具合が悪くなってくるほど。
誰が悪い訳でもないのに、と思うと、ひたすらに遣る瀬無い。
非常に辛い内容ではあるけど、観る価値のある、観るべき作品かと思う。
シュワの重く沈むような演技も実に良い。
実話なんで調べれば事の顛末は分かってしまうのだけど、ぜひ予備知識を入れずに観て欲しい。

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