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怪奇蒐集者

最近、怪奇蒐集者というビデオシリーズにハマっておりました。
Amazonビデオでみんな見られるようになっておるのですが。
タイトルから分かる通り、ホラーのシリーズで、ただこの手のものの中心にある心霊映像とか再現ビデオとかに比べるととても地味な内容。
何かというと、怪談を語るプロである怪談師や怪談作家が怖い話を持ち寄ってただ語るだけ、というもの。
しかしこれが滅法御白い。いや、怖い。マジで。

で、今24本出てる中の13本ほど見た。
ベストコンピ的なものも2本あるから、それ除くとかなりの部分見たことになる。
それで、非常に良かった5本についてここで書こうと。
やっぱこうバーッと大量に並べられても最初どうすればいいのか、困っちゃうと思うんで。


それでまずこれ…

このアマゾンのやつちゃんと出てますかね。いつも不安になるんですが。
で、そう、この怪談社という人たち。
本なんかも出しててそれも非常に面白いんだけど、怪談のライヴを中心に活動している団体。
自分も何度も生で見ているけど、とにかく語りが巧み。
硬軟緩急直球変化球織り交ぜてグイグイ引き込んでくれる。
パフォーマンスとしての怪談語りを確立させているような感じ。
語りの巧みさを楽しむならこれでしょう、バリエーション豊かという意味で最初の一本としてもおすすめ。



村上ロックさん。
恥ずかしながらこれで初めて知った。
六本木に夜な夜な怪談語りのショーをやっているスリラーナイトというバーがあるのだが、そこの怪談師の方。
叩き上げで怪談語りの経験も豊かということで磨き上げたものがあるのだろう、これまた見事な語り。
そしてネタもいい。
そこまで奇を衒ったタイプではないと思うけど、実話怪談ならではの中心が虚(うろ)になっている感じが底冷えする怖さを呼ぶ。
大仰なところのない、親しみやすい調子の語りに、いつの間にか暗がりの奥まで手を引かれている。目の前の相手の顔も見えないほど暗いところまで。
そこで、パッと手を放される。



BBゴロ―。
ご存知、あの稲川さんのモノマネ芸人の方。
稲川怪談調でレストランを紹介するとか、お馴染みですね。
いや、怖いの紹介するんじゃないんかい!って思われてるかもしれないけど、いやね。
この人の怪談語りが、ガチで怖いんですよ。
まさに稲川直系の、様々なオノマトペを独特の調子で組み入れその場に環境を展開していく語り。
気付かぬうちに崖の縁に立たされていたような、唐突にやって来る陰惨な結末の味。
勿論ユーモアも織り交ぜ、絶妙にスピードコントロールしながらドライヴしていく語りに魅せられる。



朱雀門出さん。
大学教員をやりつつ、二本ホラー小説大賞も受賞している実力派の怪談作家。
この人はフラットな語りのスタイルで、抑揚も小さく演出めいたこともないのだが、とにかく話の内容が異様。
この人がよその怪談アンソロジーに書いていた話で、ずっと脳裏にこびりついて離れずにいるのがあって、ちょっとそれについて書く。
オーレンジャーという、95年頃やっていた戦隊ヒーロー番組があるのだが、これを子どもの頃見ていた体験者の話がそれだ。
いつものようにテレビの前で座って待っていると、番組が始まった。
と、いつもと様子が違う。普段ならオープニングテーマが始まるところ、いきなり本編。
しかも、戦隊メンバーの一人のオーグリーンが異様な数の敵に囲まれている。
オーグリーンはもみくちゃにされながら敵の中をかき分け進んでいく。
と、その前にマダラ模様の不気味な姿の怪人が現れる。姿も異様だが、何よりもそれが手に持っていた武器に目が引き付けられる。
包丁だ。普通、怪人が持っているのは、巨大な槍や剣など、異世界めいた武器のはずなのに。
多勢に無勢のオーグリーンは、最後には包丁で刺されてしまう。
と、ここで、画面が暗転。黒い画面に白字でテロップ。
「オーグリーンは死にました」。
体験者が翌朝学校で他の子に聞くと、他にも同じものを見た子が何人かいる…。
それから朱雀門さんがイベント出演した際にこの話をすると、「自分もそれを見た」という人がいたそうだ。
てな話なのだが、どうだろう。
普通「怪談」と聞いてイメージする話とは大分違うのではないだろうか?
そんな感じの、デヴィッド・リンチの世界にでも迷い込んだような怖い話が唯一無二の怖さをもたらす。
こういうの大好き。



クレイジージャーニーのオカルト担当、アースダイバー的な怪談アプローチの著書、公共の電波では絶対流せないキレまくったポッドキャスト配信も最高な"吉田会長"こと吉田悠軌。
この人の怖い話は、とにかく気持ち悪い。ディスってるように聴こえるかもだけど、そうではないです多分。
想像可能な、足の届きそうな距離のリアルに属していて、なのにどこか歪んでいて不条理で、飲み下そうとしても喉に絡んで後味が口の中にずっと残る。
自分はいつもこのシリーズを寝る前に見ていたけど、この人の見たあとは本当に参った。半端なく嫌な気持ちになるから。
それは情念とか怨みつらみみたいな嫌さじゃなくて、やはり実話怪談ならではの、一番大事な話の核だけがごっそりと抜けている、穴の底を覗き込んでからそれに気づく、そんな嫌さだ。
解消してくれない、解決してくれない。
今回挙げた作品群はどれも素晴らしい内容なのを保証するけど、それ踏まえた上で、「とにかく怖いのが見たい・聴きたい」ってんなら、自分が一番怖かったのはこれ。


そんなわけで夜も蒸す季節になってきたのもあるし、部屋の電気消したら寝る前の1時間ばかし怪談聴くなんてのはいかがでしょう。
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