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Siraph 『past & current』 MOROHA 『MOROHA IV』

随分立ってしまいましたが、何をしていたかというと、山を登っていました。
何言ってんだって感じですが…






山は、良いっすな~~~!(爆笑)

https://yamap.com/users/1003665
5月は週イチペースで登ってまして
私の山行の記録はここで見ることが出来ます


そんなこんなで



Siraph 『past & current』
は、こうしてリリースのライブにも行ってきたのですが…

あっ、このバンドについてはこの記事でも書いています

今回のアルバムはライブ限定販売のシングルシリーズをまとめたものなのだが、そのシリーズはアイディアをパッパッと早いペースでまとめて出すような感じだったらしく、そう思って聴くと確かにミニアルバムと曲の感触が違う。
もっとロック的というか、音楽としてシンプルな響きに聴こえる。
確かにリズムやサウンドの組成は奇妙で複雑なところが多いけど、ミニアルバムでの、そのレイヤーが神経症的に重なって音響っぽい領域まで行ってしまうところとはまた違うというか。
ざっくり言うと、ちゃんとポップミュージックに聴こえる。ポストロックでもない。
"風琴と朝"という曲が一番好きなんだけど、この曲はA→B→Cで4/4→7/8→6/8と拍子が変わっていく。だけどちゃんとサビに向かっていくというポップスとしてのベクトルが感じられるし、心地良い解放感があるんだよね。
続く"hyos"の5拍子にしても、そのリズムを使うためにやってるって感じはしない。ちゃんとメロディがメインになっていて。
"ニュースモーカー"などで聴かれる明快なギターソロも、あ、こういう事もやるんだ、って思ったし。
65daysofstatic的なインストの"so far"なんかも引っ張りすぎず良い刺激として加わってる。
相変わらずヴォーカルというか、ヴォイスというか、声はかなり楽器のサウンドに混ぜて聴かせてるよなって思うんだけど。
だから楽器陣の刺激的極まるサウンドを抑えるでもなく押し出すでもなく、「それでも調和する」ぐらいの落としどころ。そういうバランス感覚が抜群のバンドだなと思うのだが。
しっかし相変わらず素晴らしすぎるベース。
ライブで見て更に好きになった。




MOROHA 『MOROHA IV』
この二人についてはここで少し書いた
今回のアルバムからメジャーなんですね。
な~んかシャンッ!って整った綺麗な音になっちゃうんだろ~な~いろいろ余計な音が足されちゃうんだろうな~変なゲストが入るんだろうな~~残念残念!
って思ってたら、頬張り飛ばされたような衝撃。
いや、これ目茶苦茶スゲーよ。
こんな過剰にエモーショナルでパンキッシュでライブアルバムみたいな、そして何ひとつ足してない剥き出しの音を普通に流通に乗せていいのか。
歌詞カードが付いてるけど、紙に落としたら端からもう魔法が解けてくっていうか、やっぱ音楽なので。ラップは言葉の音楽なので。
だからただ部屋真っ暗にして大きいボリュームで集中して聴き取る。それでちゃんとした形で音と言葉が入ってくる感じがする。
だから歌詞の引用とかはここでは全くしないんですけど。

しかし録音はやっぱ良い。洗練とかじゃなくて、生々しいっていう、メジャーの方とは逆に向かう意味で良い。
ギターのスラミングの音がバシッと入ってて、だから"ストロンガー"、"スタミナ太郎"みたいなビート強調した曲がキマってる。
声の、合間の息づかい、それからMCアフロ、歌うときに本気すぎて普通に息切れしてるんだけど、それがそのまんま入ってるのが素晴らしい。
これの前に出した再録ベストで"三文銭"が圧倒的に良くて、何でかっていうと、何を思ったかこの曲での歌唱はあらゆるところで上擦って掠れて裏返ってあげくハーハー息を吐いちゃってて。あ、こんなリアリティあるんだな、でも本当のことを歌うならこれだよな、って思って。
その感じがちょっと今回のアルバム全体にある感じ。

ギター。
映画『アイスと雨音』の"遠郷タワー"が彼らの曲の中でもトップクラスに好きなのだが、この曲でギターについての意識が明確に変わってるよなって思ってて。
パターンというか、ラップを載せるためのリフじゃなくて、インストとして成立するような物語性のある旋律を奏でてる。
それって今回のアルバムでは更に進んだところに来ていて、"スタミナ太郎"、"夜に数えて"の、ラップのテンションと触発しあうように有機的にサウンドを変えていくギター、ほんとにこれはもう単独な「曲」だな、ってところに来てる。

全編本当に素晴らしくて、特にアグレッシヴな方向性の曲は聴いてて震えるほどだけど、やっぱ"米"って曲。
これはちょっと、アルバム全体からしても浮いちゃってる、桁違いの曲だと思う。
前進する細かなリズムの攻めの感じと美しいメロディの組み合わさったギターがまずアルバム中でも飛び抜けた素晴らしさ。
それで、歌ってる内容。
これはもう何も言えない。
ただ聴いてくれよって思う。歌詞カードなんか読まないで集中して言葉を聴きとってくれよと思う。
身も蓋もないリアルだけど、このことをこれだけの熱量で歌えるってスゲーよ。
ただやっぱ、ラップってこれだよなって思うんだよ。
あの『ショート・ターム』で歌ってた少年のような。
ここまで本音を出せよってことだよな。
でも同時に、今回のアルバムが凄く良いなと思ったところで、やっぱ(暗かったり苦しんでるかもしれないけど)希望に向かってるって大事かなって思ってる。
マーベル映画とかよく出来たファンタジー、フィクションが溢れてるけど、そういうフィクションが何をどう描くべきか?ってことについて、自分の考えはわりとシンプルで。
ひとつは、現実を見据えろよってことで、それがなきゃ空虚だよやっぱり。
ただ、皮肉屋になって冷笑して希望ねー現実終わってるなオレらみたいなとこが落とし所になるなら意味はなくて。
だから、現実を見据えて理想を語れよ、ってことなんじゃないか。
それが語れたら創作って意味があるんじゃないか。
それってMOROHAが何とかかんとかして歌おうとしてきたことで、それが今回のアルバムでは相当に形になって歌われてると思うよ。

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